オールカマーに限らずこの時期の古馬G2は、春のG1を使って休み明けで来た馬と夏の間も走っていた馬のどちらが良いのか、ということがテーマになる。最初に結論を言うと、やはり休み明けでも前走G1組のほうが有利だ。夏重賞の好走馬だけを集めれば話は違ってくるだろうが、それでもG1のひとケタ着順組と五分か、G1組のほうが勝るくらいだろう。

 他にオールカマーの特徴として、差しタイプの回収率が先行タイプよりも高いことが挙げられる(通常は逆になる)。しかも、オールカマーで実際にどの位置を取ったかということを基準に集計してもそうなるし、オールカマーの前走でどんな位置にいたかということを基準にしても同様になる。

■春の天皇賞と安田記念組で狙うなら…

 通常は「前走差し→今回先行」の馬が高回収率なのだが、そうなる馬を見つけるのが困難。しかし、オールカマーは「前走差し→今回も差し」でよい。今回の想定馬で前走G1組というと安田記念から来るステファノス、ヴィクトリアマイルから来るルージュバック、天皇賞春から来るアルバートといったところ。この中から選ぶなら◎ステファノス。ルージュバックは番組選びに迷いが出ているように見えるが、やはり東京でのほうが買いやすい。中山だと展開の助けが無いと届ききらないように思う。

 アルバートはメルボルンカップに行くかどうかの結論が出ていないが、可能性が残っている以上ここから全力の仕上げということにはならない。また、気になるのが今年の天皇賞春に出走した馬が軒並みその後振るわないことで、ゴールドアクター以外の馬はパフォーマンスを下げている。それを考えると中心には推しづらい。

■宝塚記念の内容から、距離も大丈夫

 その点、ステファノスは前述した差しタイプでもあるし、安田記念の敗戦は久々のマイル戦で距離不足という言い訳もきく。2200メートルは久々でベスト距離は1800~2000メートルかもしれないが、昨年の宝塚記念(5着)の内容を見る限り1ハロンでぱったりということもないだろう。

 ○にはかなりレース間隔が開いているが、タンタアレグリアを取る。今回は夏競馬のG1を上位人気で好走してきた馬がおらず、どうしても休み明け組に行かざるをえない。デキの問題があっても同じコースのG2を勝ってきている魅力のほうが勝る。

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