今年の日本短距離界。その象徴的数字は「9」である。なぜかといえば、ご存知のとおり、陸上男子100メートルで桐生祥秀(きりゅう・よしひで)選手が、日本人として初めて9秒台をマークしたからだ。

■日本競馬の短距離チャンピオンを決定するG1スプリンターズステークス

 この数字「9」の輝きは、競馬の短距離界にも及ぶに違いない。日本競馬の短距離チャンピオンを決定するスプリンターズSにおいても、注目の数字は「9」、すなわちゼッケンの9番である。おそらく、9番ゼッケンをつけた馬がごちゃつく後続をぶっち切って先頭でゴールに飛び込み、電光表示板にたったひとつ点った馬番が9。そこでわれわれファンがみんな、(やっぱり今年の短距離界は“9”だよなあ……)と思うストーリーになっているのではないか。

■陸上男子100メートルの日本人最高記録を持っていたのは…

 桐生選手が10秒の壁を破るまで、陸上男子100メートルの日本人最高記録を持っていたのが伊東浩司選手で、1998年12月13日にバンコク・アジア大会でマークした「10秒00」。その日から今年まで、じつに19年も破る日本人選手が現れない大記録だった。

 伊東選手のあの10秒00という大記録が生まれたのは日曜日。その日、日本では、重賞の愛知杯が行われていた。そして、その愛知杯では、伊東選手の10秒00とリンクするかのように、ゼッケン10番のカネトシガバナーが勝っている。今年はゼッケン9の出番だ。

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