腰痛、肩こり、頭痛がスッキリ!「カンタン背骨ストレッチ」のススメの画像
腰痛、肩こり、頭痛がスッキリ!「カンタン背骨ストレッチ」のススメの画像

 誰もが一度は経験のある腰や肩、頭の痛み。これらを解消するためにはどうすれば? 達人たちに聞いた!

■パソコンなどで前かがみになる姿勢を長時間続けると…

 慢性化した腰痛や肩こり、頭痛。実はこれ、背骨の“歪み”や背骨を支える筋肉の“疲労”が大きな原因になっているという。「一番の元凶は、パソコンなどで前かがみになる姿勢を長時間続けることです」 こう話すのは『高円寺整形外科』(東京都杉並区) の大村文敏院長だ。

「前かがみの姿勢では、頭が前に倒れないように、首筋や背筋の筋肉が必死に支えています。頭の重さはボウリングのボールと同じぐらいですから、その負担は相当なもの。そうすると筋肉が硬くなり、筋肉の中を走る血管の血行も悪くなります。すると、疲労物質が溜まっていって神経を刺激します。これが肩こりや頭痛などの原因になっているのです」

 痛みやこりならまだしも、背骨の歪みがひどくなり、いわゆる猫背の状態になると、内臓を圧迫することも。「胃や腸が圧迫されるため、逆流性食道炎や便秘などになります。加えて、心臓や肺も圧迫されるため、心肺機能も低下します」(大村院長)

 こんな状態にならないためにも、日頃から背筋をスッと伸ばし、筋肉の負担を最小限にする“背骨ストレッチ”が大切になってくる。『1分間で腰痛がみるみる治る! 今すぐできる 自分で治す 再発しない』(三笠書房)などの著書がある『タンタン整骨院』(東京都豊島区)の小林敬和院長に、日常生活のちょっとした合間にできる簡単な背骨ストレッチを教えてもらった。

■デスクワークや車の運転の合間に背骨の曲げ伸ばし

 まずは、日本人の10人に1人が悩んでいるといわれる“腰痛”を予防・改善するストレッチから。「デスクワークや車の運転の合間にやってもらいたいのが、背骨の曲げ伸ばしです」(小林院長)

 まず最初に、座ったままお腹をヘコますように体を前かがみにする。そして、ここからグーッと体を後ろに反らす。「体を反らしたとき、あごは引き気味にして背骨にS字カーブができるようにするのがポイント」(前同)

 また、クッションを利用して、姿勢を簡単に矯正する方法もある。椅子にやや深めに腰掛けて、腰のS字カーブの部分にクッションをあてがうというもの。50代の本誌記者は原稿を書いているときに、ひょいと立ち上がると、腰が痛くて思わず「イテテッ」と顔を歪め体をかがめていたが、この方法で「イテテッ」がほぼなくなった。

■腹の筋肉をマッサージすれば、腰周辺の筋肉もほぐれる

 就寝時、仰向けになったときにやってもらいたいのが、腹マッサージだ。これも、やり方は簡単。仰向けになり、膝の裏に枕を置き、腹の筋肉を緩ませる。この姿勢で、指4本を使ってお腹の筋肉を探り、丸く揺らすようにしてマッサージをする。腰が痛いときは、腰周辺の筋肉をほぐしたほうがいいのでは? と思った人もいるだろうが、実は腹の筋肉と腰骨を支える背中の筋肉は、相互に補完する関係にあるという。「腹の筋肉をマッサージすれば、自然に腰周辺の筋肉もほぐれます」(同)

 肋骨の下から、へその下あたりまで押さえ回したら、脇腹の筋肉をつかむようにしてマッサージする。「脇腹には、ダイレクトに背中の筋肉に続く内腹斜筋があるのです」(同)

 この腹マッサージで注意したいのは、あまり強くやらないこと。強くやりすぎると、腸の状態がおかしくなることもあるという。「筋肉を押し回しする手に、もう一方の手を添える感じで優しく揉んでください。手を当てて痛いところは時間をかけてマッサージすると、より効果的です」(同)

■正しい姿勢を保つことも大切

 ちなみに、腰骨は5個の骨のブロック(腰椎)が連なってできている。腰痛は、腰を支える筋肉の張りが原因の場合もあるが、中高年の場合、特に各腰椎を連結している軟骨(椎間板)が、加齢による脱水や運動不足、姿勢の悪さなどで変性、弱体化することで起こることが多い。「腰痛は誰もが経験する痛みといわれているのですが、腰痛を繰り返さないためには、正しい姿勢を保つことが最も大切です」(前出の大村院長)

 背筋を伸ばし、腹より胸を出す姿勢をいつも心掛けてほしい。「中腰で重いものを持たない。前かがみの姿勢を長く続ける仕事をするときは、一定時間で腰を伸ばすなどのストレッチタイムを挟むなどすることが、腰痛やギックリ腰を防ぐコツです」(前同)

 また、肩や首のこりが慢性化している方も多いのではないだろうか。前出の小林院長によると、「うちに来院され、肩こりを訴える患者さんの大部分は背中の筋肉がこっているケースが多い」という。肩こりや首こりを軽くするには、背中の筋肉をほぐすのがポイントになるのだが、背中だけに自分でやるのは難しい。だが、背中の筋肉を簡単にほぐす方法があるという。「腰の筋肉のこりをお腹のマッサージでほぐしたように、背中の筋肉も胸周辺の筋肉をマッサージすることで、ほぐすことができるのです」(小林院長)

 それが鎖骨マッサージだ。これも腹マッサージと同様に、鎖骨の下の筋肉を4本の指で大きく揺らすように揉みほぐす。「指で押さえていくと、痛い部分もあるはずです。そこは、やや強めに押し回ししてください」(前同)

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