■夕食でカロリー調整し、睡眠前の3時間は食べない

「血糖を筋肉や内臓で使い切るためにも、食後すぐ横にならず、15分ぐらい軽く散歩をするなどしたほうがいいでしょう」(前同) その軽い運動が、なかなか面倒くさい。何か、いい方法はないのだろうか。そこで、3年かけて15キロのダイエットに成功した医療ジャーナリストの牧潤二氏に話を聞いてみた。「私は朝と昼はしっかり食べますが、夕食でカロリー調整をしています。夕食を食べてすぐに寝ると、血中の糖が使われずに中性脂肪に変わりやすいんです。夕食を含め、寝る前の3時間は何も食べないことがメタボ防止には大切です」

 さらに、小腹が減ったときに、菓子パンや清涼飲料水などを控えるのも重要だ。「菓子パンなどは、カロリーがご飯1杯分(250キロカロリー)以上の300キロカロリーもあるものがザラにあります。これにコーラ(150キロカロリー)などを飲むと、食事1食分に近いカロリーになってしまうんです」(前同)

 やはりポイントは、糖質を抑えることだという。食に関する注意点が多いが、牧氏によれば、「ダイエットをするコツは自分の生活に無理なく組み込むこと」だという。「その意味では最近、女性の間で人気の薄着ダイエットもいいと思います。これで“グングン痩せる”ことはありませんが、薄着になるとカロリーをよけいに消費するのでなんらかのダイエット効果はあります」

■そばやうどんを食べるときは唐辛子

 幸い、内臓脂肪は運動をすれば皮下脂肪より簡単に落ちる。とはいえ、体重60キロの人がジョギングを30分しても、わずか240キロカロリーしか消費しない。一生懸命走っても、ご飯1杯よけいに食べたら苦労も水の泡になる。だが、「そばやうどんを食べるときは、唐辛子などの香辛料を入れると、汗が出て代謝が高まり、多少のカロリー消費にはつながるし、風呂で1時間ほど半身浴をすると、約200キロカロリーを消費して、ジョギング20分と同じ効果があります」(スポーツトレーナー)

■基礎代謝量を上げれば、運動をしなくてもカロリー消費

 これならなんとかなる。そんな日常生活に簡単に組み込める運動を紹介しよう。その前に、カロリーを消費する仕組みを頭に入れておこう。食事で摂取したカロリーは、運動や日常生活で3~4割使われる。残りの6~7割が使われるのは、体温の維持や心拍などの基礎代謝。実は、基礎代謝のほうがカロリー消費の比率が大きいのだ。「基礎代謝量を上げれば、運動をしなくてもカロリーが消費され、太らないことになります。基礎代謝の中で大きいのは体温維持ですが、中高年になると、そのヒーターの役目をする筋肉の量が減ってしまうため、よけい基礎代謝量が少なくなる。つまり、筋肉量を維持することがポイントになります」(前同)

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