由伸ジャイアンツ、空前絶後の「粛清と補強」スッパ抜き

 指揮官の暗い顔ばかりが印象に残ったシーズンが終了。常勝チームの輝きを取り戻すための戦いは始まっている!

■CS出場を初めて逃した高橋由伸監督は…

 屈辱としか言いようのない2017年シーズンとなった読売巨人軍。リーグ4位に終わり、制度導入以来続いていたクライマックスシリーズ出場も初めて逃した。「高橋由伸監督は惨敗の責任を感じ、一度は進退伺を出すという話にまでなったんだ。周りに止められ、結局、出さなかったそうだが……」(ベテラン記者)

 巨人軍とファンは今季開幕前、希望に満ちていた。「史上最大の補強」として、FAでDeNAから山口俊、ソフトバンクから森福充彦、日本ハムから陽岱鋼を獲得。さらに、日本ハムからトレードで吉川光夫が移籍し、仕上げにカミネロまで手に入れたのだ。総額30億円以上ともいわれる金を費やしたその結果は、どうだったか。「陽は故障で出遅れ、.264という打率に終わった。森福は30試合に登板したけど、まったく信頼を得られず、8月以降は二軍が仕事場。吉川は1勝3敗、そして山口は1勝1敗、そして暴力事件……。唯一、カミネロだけが29セーブを挙げて戦力となった」(前同)

■菅野智之は最多勝と最優秀防御率の好成績だったが…

 史上最大の補強は空振りどころか、不祥事までももたらしたのだが、今季見事な成績を残した選手もいる。菅野智之は最多勝と最優秀防御率、マイコラスは最多奪三振のタイトルを獲得。田口麗斗は左腕でリーグ最多となる13勝を挙げた。この三本柱で計44勝17敗、27もの貯金を築きながら、チームが4位に終わったことのほうが驚きだろう。「3人以外の先発陣が崩壊し、投手交代が頻繁に行われたんですが、尾花高夫前一軍投手コーチのブルペンへの連絡が遅く、リリーフ陣から“十分に準備ができない”と不満が高まり、結果も出ないという最悪のループに陥りました。結局、シーズン中に尾花コーチはブルペンコーチに降格。尾花コーチには先発主力投手からも不満があり、由伸監督が決断した結果でしょう」(夕刊紙デスク)

■坂本勇人、長野久義らに早打ちが目立った

 さらに、ひどかったのは打線だ。チーム打率.249、113本塁打、総得点は536点とリーグ5位。トップの広島とは、ちょうど200点もの差がついた。一人も20本塁打を放った選手がいないのは、12球団でロッテと巨人だけだった。「1点差のゲームで13勝27敗。リーグ1位の広島は30勝21敗、2位の阪神が26勝16敗ですから、絶望的な勝負弱さです。リードされると、巨人打線はとにかく淡泊で早打ちが増える。それも坂本勇人、長野久義、村田修一、陽ら主力に顕著です。広島のようにファウルで粘ったり、四球を選ぶという姿勢がないんですよね」(前同)

 野球評論家でV9戦士の黒江透修氏は、チームにこう苦言を呈する。「漫然と来た球を打って、大事な場面で簡単にゲッツー。作戦なんか、ほとんどない。すべてを選手に任せきりにしてる。ヘッドコーチを変えなきゃダメだね。村田(真一)じゃ、なんの役にも立たん。ベテランとのパイプ役なんか必要ないよ。ヘッドには作戦を立てられる人物を持ってこなきゃ。井端(弘和)が参謀やらなきゃダメ。原(辰徳)が辞めて、由伸が監督になったときのOB会で、誰もが驚いたのは村田がヘッドに就任したこと。“おお、お前、クビじゃなかったのか?”って面と向かって言われてたよ」

 しかし、巨人が10月10日に発表した来季の一軍コーチ陣の筆頭には〈ヘッド兼バッテリー村田真一〉の名が……。村田ヘッドは残留したが、シーズン中、プルペンに降格された尾花コーチは編成本部アドバイザー、江藤智打撃コーチはファームへと飛ばされることになった。江藤コーチに代わり、来季から打撃部門の責任者に就任するのは吉村禎章氏。「打撃総合コーチの肩書で、7年ぶりに巨人に復帰。07年と12年に女性問題が報じられましたが、身辺はきれいになったということでしょう」(専門誌記者)

■阿部慎之助に4番は厳しい

 打撃陣の立て直しが急務だが、問題はやはり4番。今季、4番で最も多く出場した阿部慎之助の去就は、由伸監督の中では決まっているという。「阿部に4番は無理。6番を打たせる、というのが由伸の構想。阿部自身も内心では、もう4番は厳しいと分かっている。ただ、代わりに誰が打つんだ、というプライドもある」(巨人軍関係者)

  1. 1
  2. 2