■JR東日本の田嶋大樹は最速152キロの大型左腕

 さて、広島が実は最後まで「中村と迷っていた」(前出の番記者)というのが、社会人・JR東日本の田嶋大樹(21)だ。佐野日大のエースとして甲子園を騒がせ、高卒時もドラフトの目玉だったが「まだプロで通用しない」とJR東日本に入社。最速152キロの大型左腕に成長した。「いいピッチャーだ。左で150キロを投げられるのはすごい。腕の振りがいいし、あまり高めに抜けないもんな。変化球も低めに投げられている」(城之内氏)

 この田嶋には、即戦力の左腕を求める横浜、中日、西武、オリックスが熱視線。涌井秀章がFAで抜ける目算の高いロッテも虎視眈々と狙っているという。「今年は“即戦力の投手なら田嶋”といわれている。そこで競合を避け、西武や横浜は“今年の高校ナンバーワン投手”と名高い、青藍泰斗の石川翔(18)に行く可能性もあります」(専門誌記者)

 伊勢氏も石川の投げる姿を見て、思わず、「高校生投手では一番やな。投げ方も腕の振り方もええ。ストレートと変化球の振りもほぼ一緒や。打者からしたら攻略が難しいかもな」と感嘆。最速151キロの右腕には、西武の一本釣りがあるかもしれない。

■大学・社会人を中心に即戦力を担える投手がそろう

「今年は“投手不作の年”といわれつつも、大学・社会人を中心に即戦力を担える選手が揃っています。田嶋の競合回避のため、石川と並んで注目の最速152キロ左腕、立命館大の東克樹(21)には、阪神や楽天、ヤクルトも食いつく“隠れ競合”状態。ピッチャーのコマ不足が深刻な阪神は、清宮の外れ1位で明治大の斉藤大将(22)の獲得に動くでしょう」(専門誌記者)

 他にも仙台大の馬場皐輔(22)、ヤマハの鈴木博志(20)、日立製作所の鈴木康平(23)あたりは、外れ1位か2巡目あたりで獲得される可能性が高い。「六大学“最弱”の東京大にも、宮台康平(22)という注目投手がいます。400勝投手の金田正一さんが“腕の振りがいい。しなやかだし、リリースポイントで変な力が入っていない”と絶賛した逸材で、こちらも2巡目までには指名されるでしょう」(前同)

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