■テレビの生放送をドタキャンする暴挙!

 そんな、たけしの“らしさ”が炸裂したのは、放送3日目のこと。なんと、彼は生放送をドタキャンして、スタジオに姿を現さないという暴挙に出たのだ。「たけしさんが仕事をドタキャンするのは、かつての『オールナイトニッポン』や『オレたちひょうきん族』でも、たびたび繰り返されてきた、彼だけに許されるお家芸。犬猿の仲といわれる博士と太田が2人で番組を進行しなければならず、どこかギクシャクとした雰囲気が漂うスリリングな放送となり、翌日のスポーツ紙でも“事件”として大きく報じられました」(芸能記者)

●戻ってきたものの、“入院患者コスプレ”で…

 4日目に戻ってきたたけしは、体調不良をアピールするかのように、“入院患者コスプレ”で点滴とともに登場。「起きたけど足がつった」「犬の調子が悪くなった」「もの忘れがひどくなった」と、ムチャクチャな言い訳で、また笑いを誘ったのだった。「被害者であるはずの博士も、ツイッターで、〈『やっぱ!ホントに休むんだ!』という呆れ返る気持ちと『これはなかなか体験出来ないぞ!』とアガる気持ちが同居する〉と心情を吐露したように、“伝説”とも言うべき、たけしのドタキャン劇を楽しんだ視聴者が多かったのではないでしょうか」(放送作家)

■スピルバーグ監督を「大したことない」

 その後も、米国の映画監督、スティーブン・スピルバーグのことを、「大したことない。あいつは帽子かぶってるだけ」と言い放つなど、毒舌は止まらない。さらに、ノーベル文学賞を受賞した日系英国人小説家のカズオ・イシグロ氏(62)が日本映画を愛好し、「黒澤明、小津安二郎、伊丹十三、北野武らの作品から多くのことを学んだ」と語っていることを知るや、「影響料くれたっていいだろ。間違いない、誰がなんと言ったってオレだ。オレが取らせた」と言いたい放題。パワー健在を大いにアピールした5日間となった。

■映画『アウトレイジ 最終章』も好評

 こうも精力的なのは、この番組が、最新監督作品『アウトレイジ 最終章』の宣伝番組でもあったからではあるが、7日に公開されたこの映画が、またすこぶる好評なのだ。映画評論家の秋本鉄次氏はこう話す。「本作は、前2作で、コワモテで花菱会幹部を演じてきた西田敏行、塩見三省をはじめ、自分の死に場所を探すかのような、たけし演じる大友ら、男たちの顔に漂う“死の影”が実に味わい深いんです。北野作品は、バイオレンス描写や、死と隣り合わせの抗争劇を通じ、どう生き、どう死ぬかという死生観が描かれてきましたが、その集大成ともいえる作品になったのでは」

 人間の本質を、過激な映像で我々に突きつけてきた、そのスタイルは、『おはよう~』でのギャグの中にも色濃く見られたと、前出のラリー遠田氏は解説する。「たけしさんはカツラのネタが好きで、『おはよう~』でも、嬉々として話していましたが、それはウソを取り繕っている人間に、残酷な真実を突きつける面白さを、よくご存じだから。権力志向を、耳障りのいい綺麗事のマニフェストという“カツラ”で取り繕ってはいるが、ゲスな欲望が世間にバレ始めているようにも見える小池・希望の党などは、まさに、たけしさんにとって一番、面白い状態なのでは。今後、毒ガス口撃の最高のターゲットになってきそうですね」

 テレビが伝えない世の中の不条理も、たけしが斬るなら許される。庶民の不満を代弁してくれる、その“暴言”は、まさに“金言”。「古希だとー!? ナメてんじゃねーぞ、コノヤロー!!」と言わんばかりの勢いで、彼は今後も突き進んでいくに違いない!

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