■キタサンブラックは素晴らしい仕上がりだが…

 今秋のキタサンブラックは京都大賞典ではなく、天皇賞・秋からの始動になった。この選択がどう出るかだが、仕上がりそのものは素晴らしい。9月18日の初時計から1週2本をきっちり追い切られ、2週前時点で7本のCW追い。これは昨秋の京都大賞典時より4本も多い。前走の宝塚記念は天皇賞・春の激走が尾を引き、9着まで着順を下げたが、夏の放牧で元気が戻った。2週前追い切りでは、6F78秒9の猛時計を馬なりでマークしている。馬体にも重厚感が加わった。

●問題は東京競馬場2000メートルの舞台

 しかし、問題は東京2000メートルの舞台だ。春の大阪杯で2000メートルG1を制したが、先行押し切りが可能な内回りコースだった。直線が長い府中の2000メートルはダイワメジャー、カンパニー、昨年のモーリスなどマイルのG1馬が勝っているように、瞬発力も要求される舞台だ。

 過去10年で逃げ切りが一度もなく、先行馬はかえって目標にされる不利もある。勝つイメージが湧かないキタサンは押さえの△。

■ダービー馬マカヒキがここで復活!

 ◎はマカヒキだ。前走の毎日王冠は歩様に柔らか味が加わり、春とは別馬の気配。結果は6着に終わったが、テン乗り内田で、いかにも本番重視のレースぶりだった。ラストは内目から0秒3差まで詰めた。ひと伸びを欠いたのは直前2週の地味な調教内容にあるか。1週前がCW83秒3、当週が5F67秒8と遅く、抑え気味の仕上げだった。今秋の目標は明らかにこの天皇賞で、叩いた効果も見られるのが中間の馬体。瞬発力はメンバー中屈指で、ダービー馬がここで復活する。

■対抗にグレーターロンドン、穴馬はカデナ

 ○も瞬発力に秀でるグレーターロンドン。もうひと追い欲しい仕上がりの前走でも上がり3F32秒6。本番はさらに破壊力を増す。

 大穴の▲はカデナ。距離短縮の2000メートル戦なら決め手が怖い。あと、★はネオリアリズム。サトノアラジン、サトノクラウン、ステファノス、リアルスティールが押さえ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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