雨続きの秋G1だが、晴雨兼用で狙えるのがヴィブロスだ。今春のドバイターフで海外G1初制覇。当時は稍重発表だったが、勝ち時計は1分50秒2もかかった。前年のリアルスティールが1分47秒1だから、タフな馬場になっていたことは間違いない。レースはモレイラの好騎乗もあったが、ラスト1Fは実に力強い伸び脚。ひ弱な牝馬のイメージは、どこにもなかった。

 見た目にもシルエットが違って見えるのが今秋だ。以前の薄さが消え、厚みが加わった馬体。414キロデビューの馬体重が、前走の府中牝馬Sでは434キロまで増加。海外遠征が、これほど実になった馬も珍しい。秋初戦の前走は2着に敗れたが、前哨戦としては合格点。前半4Fが49秒5のスローで逃げた勝ち馬に味方する流れ。それを4角6番手のインから馬群をさばき、自身の上がり3Fは33秒2の切れ。クビ差まで迫っていた。

 今回の舞台は秋華賞で初G1勝ちした京都。渋っても良し、良馬場でなお切れるヴィブロスが、牝馬の頂点へ。

■最大の強敵は、オールカマーで完全復活のルージュバック

 最大の強敵はルージュバックだ。牧場から早めの帰厩で調整した前走のオールカマーが強豪牡馬をなで切る力強さ。春の不振から完全に脱却した。この中間も2週前時点で2本の追い切りをこなし、気配はさらに上がっている。過去3年で2勝のオールカマー組。鞍上がムーアなら、なお怖さが増幅される。

●スマートレイアーは7歳牝馬でも衰えなし

 ▲はスマートレイアー。7歳牝馬でも衰えがまったくない。長めの距離にシフトしても切れ味は健在。前走の京都大賞典など、インから鋭く抜けて来た。

●G1秋華賞組も一考

 過去10年で8連対の3歳馬の押さえも必要だ。★は秋華賞を制したディアドラ。ダメージどころか、馬体にたくましさを加えている。同レース2、3着のリスグラシュー、モズカッチャンの食い込みも一考。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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