舞台が京都ならチャンスは拡大。エアスピネルが待望のG1制覇だ。どの競馬場でも一定の結果を出すタイプだが、パフォーマンスが格段に上がるのが京都だ。初重賞勝ちが2歳時のデイリー杯。4歳の今年は年明けの京都金杯を快勝した。4月のマイラーズCは2着だったが、勝ち馬イスラボニータと0秒1差の勝負。すべてマイル戦で[2・1・0・0]は胸を張れる実績だ。

 3歳時に京都で連対を外したケースは一度あるが、それは明らかに距離が長い菊花賞。それでも3着の踏ん張りだから、京都はやっぱり走る。コースとの相性の良さは、3角からの下りを味方にできるからだ。ここでの加速が直線の伸びにつながっている。

 とりわけ、今年の京都はエアスピネルに向く舞台設定にもなっている。雨続きの前開催の影響で、例年ほどの高速馬場にならないこと。究極の瞬発力勝負が弱点のタイプだから、これは願ったり叶ったりだ。荒れ馬場での強さは前走の富士Sが証明するところだ。

 中間の気配も、すこぶるいい。レース11日後に坂路で時計を出し、その4日後にはCWでも6Fの調教。攻める態勢を早くも築き上げている。この分なら、当週の坂路で51秒台の速い時計も出せるだろう。混戦マイルG1を制するのはエアスピネルだ。

■ライバルはイスラボニータ

 ライバルの一番手はイスラボニータ。富士Sではエアスピネルに完敗の2着だが、不良馬場の影響が大きかった。6歳の秋だが、力は維持している。

●池江泰寿厩舎のサトノアラジンやペルシアンナイトにも要注目

 ▲は春の覇者サトノアラジン。天皇賞・秋は18着のしんがり負けだったが、あれほどの泥んこ馬場では力が出せない。今年のメンバーでも決め手は最右翼。巻き返しが可能だ。

 ★は同じ池江厩舎のペルシアンナイト。古馬との対戦経験が今回に生きてくる。あと、レッドファルクスの関東馬に、スワンSを制したサングレーザーが押さえの△。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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