略奪婚の未来は幸せか不幸か!? 慰謝料に養育費、リスクと成功パターンの画像
略奪婚の未来は幸せか不幸か!? 慰謝料に養育費、リスクと成功パターンの画像

 愛した人の家庭を壊して新たな夫、妻の座に収まるのが略奪婚。略奪愛といえば、1967年公開の映画『卒業』で主人公のダスティン・ホフマンが結婚式で花嫁を奪って逃げるシーンが有名だが、相手や自分がすでに家庭を持っている場合、現実はそうドラマティックには決まらない。既婚者とつきあいだしたけど、この恋愛、後悔しない? 本当に最後の人? そんな不安のある人はご一読を。さまざまな例から、相手の本気を見分ける術、成功する方法などを探ってみた。

■略奪婚へのプロローグ、不倫の実態

 結婚している異性に興味を抱いてしまう出来心が、略奪愛への第一歩。すべてが略奪婚に繋がるわけではないが、浮気や不倫はその下地になっていると考えられる。離婚したカップルのうち、家庭裁判所に申し立ての理由を異性関係として挙げているのは男性のうち約14.8%で第2位、女性18%で第3位(司法統計、婚姻関係事件における申立ての動機別割合 平成27年度版より)。早稲田大学の森川友義教授による著書『大人の不倫学』によると、既婚男性の74.0%、既婚女性の29.6%が不倫経験アリというデータもある。パートナーにバレる、バレないは別として、浮気をする人は結構いるようだ。最初は軽い気持ちでも、家庭の現状に不満が溜まっていると「乗り換えたほうが幸せになれるのでは?」という気持ちが次第に膨らんでくるのは想像できる。

■略奪婚のパターン

●子どもがいれば養育費がかさむ「既婚男性×独身女性」

 芸能界を見ても、このパターンが一番多い。男性は離婚成立後すぐに再婚することができるので、別れた翌日にでも籍を入れられるが、元妻との修羅場を迎える危険性をはらんでいる。男性に子どもがいて別れた場合は、元妻が引き取るケースが多い。しかし再婚後も父親には養育費を支払う義務があり、子どもには遺産相続権がある。

●再婚は子連れになりがちな「独身男性×既婚女性」

 女性は特定の条件を満たさない限り、離婚成立後100日間は入籍することができないので、必然的に再婚まで時間を置くことになり、その期間に周囲とすり合わせができる。既婚女性に子どもがいる場合、女性が引き取って新生活は連れ子も一緒になるケースが多い。再婚するだけではなく、助成の子どもと新しい夫が養子縁組をした時点で法的に正式な親子になる。

●離婚の苦労が2倍になる「既婚男性×既婚女性」

 いわゆるW不倫から、お互いに離婚して再婚を決めるパターン。こちらも女性側の法的事情から、再婚までに100日間以上の期間が必要。双方がきれいに別れるまでの面倒は2倍になる。双方同時に離婚が成立すればベストだが、なかなかそうはいかない。ヘタをすると「自分は離婚したが、相手が別れてもらえず、再婚はかなわなかった」という事態になる可能性がある。

■略奪婚のデメリット

 好きになった人と夫婦に、家族になりたいという気持ちは否定できないが、ゴールインの前に離婚という障害があるので、マイナスからのスタートになる。最初のハードルは相手や自分の配偶者だ。「離婚届に判をついてもらうまで10年かかった」「慰謝料のために借金をするハメに」といった状況に陥ることもある。次に避けて通れないハードルは、世間のイメージ。「彼女を親に紹介したいのに会ってくれない」「親類から絶縁された」というケースも実際にあるようだ。また、住んでいた場所を追われることもある。「あそこの後妻はもともと不倫相手だったらしいと近所に噂が広まり、引越しせざるえなかった」というケースも少なくないのだ。

■離婚と略奪婚にまつわる法律

●合法的に離婚できないと、不幸の連鎖が始まる!?

 法的に離婚が成立するためには、夫婦双方が同意して署名・捺印した離婚届を提出する必要がある。もし離婚届を偽装して提出すると「有印私文書偽造罪」や「偽造有印私文書行使罪」に問われることも。それが受理され、戸籍に記載までされてしまうと「電磁的公正証書原本不実記録罪」になる。さらにそのまま再婚すれば「重婚罪」に。

●慰謝料

 家庭裁判所で離婚原因が不貞と認められれば、浮気された側は配偶者と浮気相手に慰謝料を請求することができる。ただし、2人で行った不貞行為に基づく慰謝料という考えになるので、慰謝料が2倍になるのではない。配偶者と浮気相手が分担して払うこともできるが、浮気相手だけに限定して請求することはできない。また、慰謝料の請求には、条件がある。婚姻中に肉体関係があったこと、浮気相手が婚姻の事実を知っていたこと、浮気によって夫婦関係が壊されたこと。この3つを立証する証拠が家庭裁判所へ提出され、認められた場合、請求が可能になる。相場は数十万~300万円ほどだ。

●財産分与

 まず、離婚時に既婚者とその配偶者で、一緒に築いた財産をだいたい半々に分けることになる。家や車のローンも財産分与の対象に!

■子どもとの関係

●子どもに与える影響

 親が離婚、再婚する、さらにそれが略奪婚となれば、子どもの立場や感情は複雑だ。特に多感な年頃であれば、再婚後に円満な関係を築くのは簡単ではない。「相手の子どもと暮らすようになったが、受け入れてもらえず非行に走った」「子どもは成人しているので大丈夫だと思ったが、“モラル的に許せない”、“実の母親が可哀想”と絶縁状態に」といった悲しいことも起こりかねない。子どもが幼く、分別がつく前であれば、すんなりシフトできることもある。

●養育費

 子どもがいる場合、引き取らなかった側には養育費の支払い義務が発生する。子どもが経済的に自立した生活が望めない場合以外は、基本的に成人するまで支払い義務が続く。しかし、再婚後に新たな子どもをもうけて経済的に困窮した場合、引き取った側が再婚して経済的に余裕ができた場合は、養育費の減免が認められることもある。

●財産分与

 どちらかが離婚後に亡くなった場合、元配偶者に相続権はないが、前婚でもうけた子どもには相続権がある。女性が子どもを引き取って再婚した場合、再婚相手と子どもには血の繋がりがないため、基本的には子どもに相続権は発生しない。再婚相手と養子縁組を結び、法的親子関係が成立すると、相続権が生まれる。配分は再婚相手との間に新しく生まれた子どもで半々。

■略奪婚の宝庫、芸能界の実態

●離婚早々に略奪婚をきめた芸能人

 愛川欽也は前妻との離婚成立の翌日にうつみ宮土理と籍を入れたことで、略奪婚ではないかと騒がれた。愛川の死後には前妻との子どもと相続問題でトラブルになったことが報道された。

 また、とんねるずの石橋貴明と鈴木保奈美は、石橋が前妻との離婚成立後、約1か月で入籍。その時点で鈴木は妊娠3か月だった。現在は3人の子どもをもうけ、幸せな家庭を築いたようだ。

●略奪婚に失敗した芸能人

 記憶に新しいのはベッキー。バンド「ゲスの極み乙女」のボーカル川谷絵音との交際が週刊誌で報道され、”ゲス不倫”と猛烈なバッシングを受けた。2人は交際を解消し、川谷は離婚した。

●略奪婚から幸せに暮らす芸能人

 親友の山下久美子から布袋寅泰を奪ったとされるのが、今井美樹。布袋は1997年に離婚し、今井と1999年に再婚した。2004年には当時、保阪尚希の妻だった高岡早紀と布袋の浮気が週刊誌で報道されたが、現在も今井と布袋の結婚は継続している。

 俳優の市川正親は、前妻と2003年に離婚したが、再婚した篠原涼子とは2001年から交際していたといわれている。2人は2005年に結婚し、現在2人の子どもをさずかっている。

●珍しい!? 男性芸能人の略奪婚

 ウッチャンナンチャンの内村光良は、テレビ朝日のディレクターと結婚していた女子アナウンサー、徳永有美を略奪。結婚生活の相談に乗るうちに恋愛関係になったとされ、徳永の離婚成立後、約2年でゴールインした。

●子連れ略奪婚の成功例

 2009年にスピードワゴンの井戸田潤と離婚し、子どもを引き取った安達祐実。写真家、桑島智輝との再婚は略奪だとされている。2人の出会いは2013年に出版された写真集の撮影。当時、桑島は結婚していた。2人が再婚したとき、井戸田との子どもは8歳。現在は桑島との間に第2子をもうけ、井戸田も再婚し、丸く収まっている。

●略奪婚するも続かなかった芸能人

「オグシオコンビ」で有名になった元バトミントン選手の小椋久美子は、妻子あるラガーマンからの猛タックルで略奪婚するも、約1年半後に離婚した。

 また、「DREAMS COME TRUE」のボーカル吉田美和は映像ディレクターと不倫の後に事実婚へ。しかしその3年後には相手に病気が発覚し、2007年に死別している。

●略奪の顛末が微妙だった芸能人

 女優の萬田久子は大手アパレルメーカーのCEO男性と不倫。子どもを出産したが、約25年間事実婚だった。内縁の夫を最期まで見届けた萬田だったが、死後、愛人と隠し子が発覚した。

 また、RIKACOから俳優の渡部篤郎を奪い、長い間事実婚状態だったのが中谷美紀。しかし、渡部は結局一般女性と結婚してしまった。

■まとめ

 結果、以前より幸せになる人もいるのだから、「略奪婚=悪」ではない。ただし、2人の幸せによって、相手の元結婚相手や子どもなど、悲しい思いをする人が出るのも事実。お金や社会の評価といったリスクもある。未婚同士の恋愛以上に、一時のドキドキ感や甘い言葉に酔ってはいけない。本気で行動に移すなら、冷静に!

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