「はとこ」「またいとこ」と自分の関係は!? 意外と知らない“親戚”の常識の画像
「はとこ」「またいとこ」と自分の関係は!? 意外と知らない“親戚”の常識の画像

 知っているようで意外と知らない自分の親族に「はとこ」(=またいとこ)がいる。自分の「はとこ」に会ったことがないという人は少なくないだろうし、それ以前に自分から見た「はとこ」との関係性も知らないという人も多いだろう。今回は、聞いたことはあるけど、いまいち何だか分からない「はとこ」にフォーカスし、自分との関係性を簡単に解説していきたいと思う。

■「はとこ」ってどんな関係?「いとこ」など他の親戚との違い

●はとこの定義

「はとこ」とは、祖父母の兄弟姉妹の孫同士のことである。自分から見た関係性は、1親等が両親と子ども、2親等が祖父母と兄弟姉妹、3親等が両親の兄弟と曽祖父母、甥、姪、ひ孫、4親等がいとこ、大おじ、大おば、5親等が両親のいとこ、いとこの子ども、6親等がはとこに当たる。はとこは「またいとこ(又従兄弟/再従兄弟)」、「ふたいとこ(二従兄弟)」とも呼ぶ。漢字では年上の男のはとこを「又(再/ニ)従兄」、年上の女のはとこを「又(再/ニ)従姉」、年下の男のはとこを「又(再/ニ)従弟」、年下の女のはとこを「又(再/ニ)従妹」と書く。

 早くも何だかややこしくなってしまったため、少しでも分かりやすくするために、国民的なアニメ『サザエさん』の登場人物に登場してもらって、はとこの関係性を説明してみよう。波平の妹であるなぎえの子どもがノリスケのため、サザエとノリスケはいとこ同士である。そのいとこ同士の子どもであるタラとイクラが、はとこ同士の関係となる。

 つまり、ざっくりまとめると「親同士がいとこ」なのが「はとこ(=またいとこ・ふたいとこ)」なのだ。

■はとこ同士で結婚してもOK!?

 日本の法律上、はとこ同士の結婚が認められている。親族間の結婚について記載している民法第734条には「直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。」とある。結婚できないのは、直系血族と3親等以内の傍系血族に限られている。

 逆に言えば4親等以上離れていれば、いとこ同士であれ、はとこ同士であれ、親族であっても結婚することは可能なのである。とはいえ、いわゆる親戚間での婚姻になることに変わりはない。法律的に問題なくても、周囲からの心理的・感情的な抵抗に遭う可能性は決して低くないだろう。

●「直系血族」とは

 ちなみに直系血族の”直系”と”血族”は、ともに直接血のつながりのある親族のことを意味し、自分から見た直系血族は曽祖父母、祖父母、父母、子、孫、ひ孫などである。直系血族の間柄にある場合は、いかなる結婚も認められておらずすべて禁止されている。

●「傍系血族」とは

 もう一方の傍系血族の”傍系”とは、自分の祖先から枝分かれした親族のことを指し、自分から見た傍系血族は兄弟姉妹、甥、姪、おじ、おば、いとこなどである。

■「親族」「親戚」「身内」の違い

 そもそも、親族や親戚はどこからどこまでを指すのだろうか。最近の結婚式は親族や親戚のみ、または身内のみといった小規模で行われるものが増えてきているが、そんな結婚式に招待されているのは、具体的にはどんな関係なのか。今さらではあるが、まずは親族や親戚について、今一度おさらいしてみたい。

●親族って誰のこと?

 日本の民法で規定されている親族とは、配偶者を含む6親等以内の血族および、3親等以内の姻族のことを指す。血族は先述した通り、直接血のつながりのある親族のことである。

 もう一方の姻族とは、血のつながりはなく、婚姻によってつながりができた親族のことを言う。具体的な呼称でまとめてみると、親族とは父母、子ども、孫、兄弟姉妹とその配偶者、姪、甥、祖父母、祖父母の兄弟姉妹、曽祖父母、おじおばとその配偶者・いとこ・いとこの子・父母のいとこと配偶者・はとこのことを指す。つまり「はとこ」は民法上の親族である。

●親戚って誰のこと?

 親戚とは、親類とも呼ばれ、血縁や婚姻によって結びつきがある人のことである。自分の家族以外の血族・姻族の全員を親戚と言う。親族以外で親戚に加えられる人を具体的な呼称でまとめてみると、いとこの配偶者・祖父母の兄弟姉妹の配偶者・はとこの配偶者になる。

●身内って誰のこと?

 身内とは、基本的には親戚や親族の関係にある人のことを言うが、はっきりとした規定も定義もなく、誰を身内と呼ぶかは人それぞれに違う。親戚ではないが、近しい関係にある人のことを身内と呼ぶケースも多い。

■微妙な距離感!? はとこの結婚式に招待されたらどうする?

 はとこの結婚式に親族として招待されたら、どうするべきなのか? はとこの結婚式に招待されたと想定して、服装やご祝儀などのマナーを確認してみよう。

●出席欠席

 親族として出席する場合は招かれるゲストではなく、お招きしたゲストを迎える立場になる。そのため立ち居振る舞いなどマナーにも十分に気を配りたい。欠席するときも、親族なら当日は電報や手紙、メッセージなどを送り、欠席の非礼を詫びるプレゼントも贈っておこう。

●服装

 親族として結婚式に参列する場合は、きちんとした服装をしていく必要がある。しかしながら、新郎新婦や晩酌人、両親より格を控えめにした服装にするのがマナーである。フォーマルな服装には格が存在し、最も格が高い服装は正礼装(モーニングコート・燕尾服・タキシード)、正礼装を簡略化したものは準礼装(ディレクターズスーツかブラックスーツ)と呼ばれる。正礼装にせよ、準礼装にせよ、結婚式での服装は親族で合わせるのが良いとされているため、出席する際は事前に確認を取ったほうが良いだろう。

 はとこの間柄の場合だと、女性は洋装ならドレスやスーツなどの準礼装、和装なら未婚の場合は振袖でもOKだ。ただし色柄が新婦より派手にならないよう、くれぐれも注意しよう。

●祝儀

 親戚と家族ぐるみのつきあいをしている場合、ついつい自分の両親と一緒にご祝儀を用意しがちだ。しかしながら、招待状が別々に来たら、ご祝儀も別々に準備するのが常識である。たとえ親族であっても、結婚して家庭をもったら、自分の両親と連名でご祝儀を出すのはマナー違反になる。

 はとこの結婚式の場合、一般的なご祝儀の相場は、一人で出席するなら3万円、夫婦で出席するなら5万円、夫婦と子どもで出席するなら7万円となっている。

■意外すぎる! 実は親戚だった有名人たち

 調べてみると、『サザエさん』以外にも、タラちゃんとイクラちゃんのようなはとこ同士、サザエさんとノリスケのようないとこ同士だった有名人がけっこう存在した。それでは意外な人たちの親戚関係を一気に紹介していこう。

●はとこ同士の有名人

*梅宮アンナと高橋克典

 梅宮の祖母と高橋の祖母が姉妹で、はとこの関係にある。この2人は何度もテレビドラマなどで共演している仲だ。

*野村萬斎と和泉元彌

 2人ともお互いの祖父同士が兄弟という間柄の狂言師。元は同じ和泉流だが、元彌が父の死後、和泉流職分会の承認を得ず「和泉流二十世宗家」を名乗って除名されているため、絶縁関係にある。

*ガレッジセールのゴリと知花くらら

 お笑い芸人のゴリとミス・ユニバース世界大会出身でタレントの知花くららは2人の父親が従兄弟同士。とも沖縄出身として有名だ。

*スリムクラブの真栄田賢と横峯さくら

 お笑い芸人の真栄田の父と、プロゴルファーの横峯の父で元政治家の横峯良郎が従兄弟。芸能界とスポーツ界、活躍の場は異なるが、2人とも第一線で活躍している。

*ビビる大木と大木優紀アナウンサー

 お笑い芸人のビビる大木と、テレビ朝日の大木アナは父親同士が従兄弟だ。よく見れば、名字が同じである。

●いとこ同士の有名人

*安住紳一郎アナウンサーと原千晶

 TBSの安住アナとタレントの原は、お互いの伯母と叔父が結婚して、いとこ同士になった。血縁関係はない。

*高嶋政宏・高嶋政伸と高嶋ちさ子

 高嶋兄弟の父である俳優の高嶋忠夫の弟が、バイオリニストである高嶋ちさ子の父。名字が同じだから分かりやすい?

*佐藤浩市と広田レオナ

 佐藤の妻と広田が従姉妹の関係にある。俳優・女優として活躍する2人だが、血縁関係はない。

*田中聖と塚本翔人

 元KAT-TUNの田中と元ジャニーズJr.の塚本は従兄弟の関係。田中の弟、田中樹もジャニーズJr.として活動している。

*古田敦也と大木凡人

 元プロ野球選手の古田の父は、司会者としても知られる大木の母の実弟にあたる。

*かまやつひろしと森山良子

 2017年3月に亡くなったミュージシャンのムッシュかまやつは、従妹でフォークシンガーの森山の家で最期を迎えたのは有名な話である。

*槇原敬之とROLLY

 こちらもミュージシャン同士。ローリー寺西の名前でも知られるROLLYと槇原は、幼少時代に一緒にバンドを組んだこともある仲。お互いにデビューしブレイクを果たしてからも、仲の良さは変わっていない。

*ふかわりょうと原哲夫

 お笑い芸人のふかわと『北斗の拳』で知られる漫画家の原は、お互いの母親が姉妹である。

*グッチ裕三と田中星児

 マルチな活躍を見せるタレントのグッチ裕三と歌手の田中は従兄弟同士である。グッチはかつてテレビで田中のモノマネを披露したことがある。

*爆笑問題・田中裕二とならはしみき

 お笑い芸人の田中は、『クレヨンしんちゃん』の野原みさえ役で知られる声優のならはしにとって、母方の従弟になる。

■ まとめ

「はとこ」について、意外と知らない自分との関係性を簡単に解説してきたが、少しはお分かりいただけただろうか? 繰り返しになるが、「親同士がいとこ」なのが「はとこ(=またいとこ・ふたいとこ)」と覚えておいて間違いないだろう。近いような遠いような……微妙な距離感がある親戚、それが「はとこ」という存在なのである。これを機会にぜひ頭の片隅に置いておいてもらいたい。

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