阪神ジュベナイルフィリーズは、過去10年で単複の均等買いを行った場合、回収率が単勝33%・複勝63%。まだキャリアが浅く、ヒントの少ない2歳戦にしては堅いレースだ。なぜそうなるのかは定かでないが、「ファンから見て良さそうに見える要素」が、「実際にレースで良い要素」と重なっているのだろう。

 たとえばキャリア。この時期に何戦も重ねて負けが込んでいる馬よりも、少なめのレース数で権利を取っている馬のほうがファンの印象は良い。そして実際にキャリアが浅めの馬のほうがよく走っている。キャリア6戦以上の馬は過去10年で1頭も馬券に絡んでいないし、4、5戦の馬から勝ち馬も出ていない。キャリア2、3戦がベストだ。

 前走着順も良いほうがいい。前走条件戦組はそもそも勝ってこないと権利が取れないことがあるが、前走オープン組についても着順は問われる。過去10年、前走オープンで連対してきた馬が[5・5・5・35]に対し、3着以下だった馬は[0・2・2・43]。ヒモ穴として後者を1頭か2頭混ぜるのはアリだが、軸は前者から取らざるをえないだろう。

 前走距離別成績で見ると、距離延長組の複勝率が12.2%に対して同距離組が21.7%、距離短縮組が23.1%。ファンタジーSというステップレースがありながら、距離延長組がかなり苦戦している。

■ロックディスタウン、ラッキーライラックに注目

 マイル以上のオープン戦を連対してきた馬ということで、◎ロックディスタウン、○ラッキーライラックの前走重賞勝ち馬2頭を現時点では中心視しておきたい。前者は休み明けになるので直前の調教などで評価を下げる可能性はあるが、2戦2勝で距離短縮というのは魅力的だ。札幌2歳S→阪神JFというのは該当例自体が少ないのだが、馬場があまりに軽いようだと札幌で勝ってきたことはプラスにならないので、◎○の入れ替えも検討する。この2頭はともにオルフェーヴル産駒。これまでのところオルフェーヴルは種牡馬として同期のロードカナロアに水をあけられているが、打率で勝負するというよりは一発長打タイプの種牡馬にも見える。G1でこそ狙ってみたい。

■ディープインパクト×ストームキャット、黄金配合のマウレア

 既存種牡馬なら▲マウレア。ディープインパクト×ストームキャットの、いわゆる黄金配合。昇級でも通用する器だ。

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