■『即位の礼』の厳重な警備態勢は想像もできないほど

 改元を安倍政権主導にする影響力は、このような休日の話だけでは収まらない。前出の中島氏は、「安倍総理は今回の新天皇の即位を、自分の力を誇示するよい機会と考えているのではないでしょうか」と危惧しているのだ。その格好の場となるのが、即位の関連行事である。「式典を取り仕切る立場として、今の天皇陛下の『即位の礼』よりも式典を大々的に行い、世界各国から参列する元首、首相らの数を多くするはずです。安倍内閣から援助を受けたい国はもちろんですし、米国のトランプ大統領も呼ぶでしょう」(前同)

 今上天皇の『即位の礼』には、158を超える国の元首や王族ら相当数の要人が来日した。それを上回るとなれば、日本が大騒ぎとなるはずだ。「前回の『即位の礼』が東京で行われたため、今回も東京になるでしょう。去る11月にトランプ大統領が一人来ただけで厳重な警備でしたから、『即位の礼』の警備態勢は想像もできません。経済も都内の交通も、平常通りとはならないでしょう」(前出の政治部記者)

 ちなみに、1990年にNHKが『即位の礼・正殿の儀』を中継した際は、その平均視聴率が31.9%を記録したそうだ。

■祝日が少なくなる

 また、皇太子さまの即位によって、先に触れたGW以外にも祝日に変更が出る。現在、12月23日が『天皇誕生日』として祝日になっているが、皇太子さまの即位以降は天皇誕生日の祝日は2月23日となるのだ。しかし、この日にちが即位の日程より前であるため、「12月23日は祝日ではなくなるために、例年より祝日が1日少ない年となります」(女性誌皇室担当記者)

 昭和天皇の誕生日である4月29日は『みどりの日』として祝日になっているが、「祝日法は〈先帝崩御〉を祝日の条件にしているため、生前退位の場合は祝日にならないんです」(前同)

■天皇陛下は退位後は『上皇』に

 また、天皇陛下の退位と皇太子さまの即位で、いくつか耳新しい名称もできる。「現在の天皇陛下は、退位後は『上皇』となり、皇太子さまに男子がいないため、皇位継承順位第1位となる秋篠宮さまは新たに『皇嗣』となります。また秋篠宮一家を補佐する『皇嗣職』も新設され、それに伴い、皇族費も年間3050万円から9150万円へ増える予定です」(前出の中島氏)

 現在、天皇、皇后両陛下を支える宮内庁の侍従職は77人。皇太子ご一家を支える東宮職は50人だが、「来年11月に結婚式を挙げる眞子さま、その美貌でフィーバーとすら呼べる人気を誇る佳子さま、そして現在の皇位継承順位が第3位の悠仁さまと、注目度は高いながらも秋篠宮を支える宮内庁職員はわずか19人。秋篠宮さまが皇嗣殿下になるわけですから、職員の増員は喫緊の課題と言えます」(民放局記者)

 天皇陛下が上皇になってからの生活はまだ不透明な部分が大きいが、「芸術鑑賞やテニス、被災地訪問などを続けられるでしょう。今までよりは時間の余裕ができるはずなので、我々市民との接点が増えるかもしれません」(前同)

 まもなく迎える、天皇陛下の退位と皇太子さまの即位。その歴史的瞬間を見守りたい。

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