6年連続のリーディングサイアーが確実視されるディープインパクトだが、今年は春シーズンで思わぬ不振に陥った。珍しく3歳牝馬のG1を勝てず、重賞レースの勝ち鞍も激減していたからだ。しかし、そこはスーパーサイアー。来シーズンに向け、2歳馬部門が活況を呈している。これまでの7世代で2歳馬が最高の勝ち鞍を挙げたのが15年の42勝だが、今年は12月1週を終えて47まで勝ち鞍を延ばしている。まだ4週を残しており、50勝の大台到達も確実だ。

■阪神競馬場のマイルはディープ産駒が得意なコース

 今週は阪神で2歳G1の朝日杯FSが行われる。舞台は先週の阪神JFと同じ外回りのマイル。ディープ産駒が最も得意にする舞台だ。4頭の桜花賞馬が生まれ、阪神JF勝ちも2頭。3年前からこの舞台に替わった朝日杯でも2頭の勝ち馬が出ている。

 今年も有力なディープ産駒がいる。中内田厩舎のダノンプレミアムだ。6月阪神の芝1800メートルでデビュー。4馬身差の圧勝を飾ると、2戦目のG3サウジアラビアRCも完勝。勝ちタイムはマイル戦で1分33秒0のレコードだった。これは翌日の古馬1000万特別より1秒7も速かった。2戦とも先行抜け出しの安定した脚質。上がり3Fは34秒6、34秒4をマーク。瞬発力もなかなかだが、長くいい脚を使って、粘り切るスタミナにも恵まれたタイプである。

 CWの2週前追い切りは6F86秒8から上がり1Fを伸ばして11秒9。反応の良さが目を引いたが、このあと攻めを強める態勢を築いている。2度使って馬体もよりシャープになっており、ラストの反応はまだ良くなるはず。昨年のサトノアレスに続く、ディープ産駒の2連覇が極めて濃厚である。

■関東馬のタワーオブロンドンが強敵

 強敵は関東馬のタワーオブロンドン。4戦3勝2着1回、京王杯2歳Sの覇者だ。課題を言えば7Fからの距離延長。初のマイル戦をどうこなすかだ。藤沢和厩舎のもう1頭、ファストアプローチは逆にマイルへの距離短縮がどう出るか。切れ味に欠けるタイプだけに不安がある。

 それならもう1頭のディープ産駒、ケイアイノーテックに可能性を感じる。6月阪神のデビュー戦でマイル戦を経験し、レースも快勝。4角3番手の好位置から上がり3F33秒5と切れる脚を使った。前走のデイリー杯は3着だったが、馬体重が22キロ増。ここへの叩き台だったか。平田厩舎はゴールドドリームで2週前のチャンピオンズCを制覇するなど勢いがあり、中間気配は気合も乗って前走以上だから楽しみだ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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