十二支はそもそも動物じゃなかった!? その起源とルーツに迫るの画像
十二支はそもそも動物じゃなかった!? その起源とルーツに迫るの画像

 2018年の十二支(じゅうにし)は戌(いぬ:犬)である。十二支は年賀状の時期こそ多少は意識するものの、その成り立ちや、自分の干支(えと)以外の特徴や意味といった詳しいことまで知っている人は、意外と少ないのではないだろうか? 今回はできるだけ簡単に分かりやすく十二支について解説してみたい。

■日本生まれじゃなかった!? 十二支の起源とルーツ

●十二支は、そもそも何のために作られたのか?

 十二支は古代中国の殷時代に、王充という人物が考え出したとされている。天文学において十二年で地球を一周する木星の位置を示すために作られたのが始まりだが、陰陽道と結びついて、時刻や方角を表すのに用いる歴法の1つとして民間に広まっていった。中国のオリジナル十二支は、以下である。

  • 子(し)
  • 丑(ちゅう)
  • 寅(いん)
  • 卯(ぼう)
  • 辰(しん)
  • 巳(し)
  • 午(ご)
  • 未(び)
  • 申(しん)
  • 酉(ゆう)
  • 戌(じゅつ)
  • 亥(がい)

●干支と十二支の違い

 十干(じっかん)と十二支を組み合わせたものを干支(かんし/えと)という。十干は1か月を上旬・中旬・下旬の10日に分けて「日(太陽の巡り)」をカウントするために作られ、甲(こう/きのえ)、乙(おつ/きのと)、丙(へい/ひのえ)、丁(てい/ひのと)、戊(ぼ/つちのえ)、己(き/つちのと)、庚(こう/かのえ)、辛(しん/かのと)、壬(じん/みずのえ)、癸(き/みずのと)がある。十二支と十干には60通りの組み合わせができるため、自分の生まれた年とまったく同じ十干十二支になる60歳のことを還暦と呼び、盛大に祝うようになったとされている。

■実は謎だらけだった!? 十二支に関する不思議ミステリー

 改めて考えてみると、十二支には不思議で意味不明な点も多い。ここでは、十二支にまつわるいくつかの謎を解明してみたい。

●なぜ12なのか?

 十二支の考え方は、木星が12年で地球を一周するという事実が発祥だが、月が12回満ち欠けすると季節が戻ることも分かったため、1年=12か月のカレンダーとしての役割も果たすようになった。東洋でも西洋でも昔から1日は12等分か24等分に分けられ、半日を12時間としている。12という数字は宇宙的な秩序を表すと言われ、西洋の12星座や12宮をはじめ、空間や時間、円、輪と関連して回帰や循環を意味しているのである。

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