●十二支の動物はどうやって決まったか?
十二支が日本に伝わったのは六世紀で、江戸時代には一般庶民の間に浸透していた。日本の十二支はこのようになっている。
- 子(ね/鼠) 北 11月
- 丑(うし/牛) 北東北12月
- 寅(とら/虎) 東北南 1月
- 卯(う/兎) 東 2月
- 辰(たつ/龍) 東南北 3月
- 巳(み/蛇) 南東南 4月
- 午(うま/馬) 南 5月
- 未(ひつじ/羊) 南西南 6月
- 申(さる/猿) 西南北 7月
- 酉(とり/鶏) 西 8月
- 戌(いぬ/犬) 北西南 9月
- 亥(い/猪) 北西北10月
ここで気になるのが、中国のオリジナル十二支の漢字と、割り当てられている動物の違いである。国が違うとはいえ、12種類の漢字と動物が似ても似つかぬのはどうしてなのだろうか? 実は子や丑といった漢字は中国における季節ごとの植物の様子を表しており、動物とは何の関係もないのである。では、鼠や牛といった動物は、一体どこからやって来たのだろうか? この答えとしては、十二支を覚えやすいように、誰かが適当に動物を割り当てただけ、という何ともいい加減な説が有力になっている。
●十二支の順番はどうやって決まったか?
十二支の順番については、動物たちの間で「十二支争奪レース」とでも言うべき、壮絶な競争が繰り広げられたという伝説・逸話が残っている。
【伝説の内容】
神様が会合を開き、次の元旦にあいさつにきた先着の12動物を、十二支として特別扱いすると宣言した。十二支に選ばれると、12年間に1年ずつ動物たちのリーダーなれると言う。歩みの遅さを自覚していたウシは大晦日の夜から歩き始めることにし、それを予想していたネズミはウシの背中に乗って一緒に出発した。ウシとネズミは最初に神様の前に現れたが、到着寸前にネズミが飛び出し一番にあいさつした。ウシは怒るでもなく2番目に満足し、神様の宣言に半信半疑だったものの、恥をかかないようにと頑張ったトラが3番目に、他の動物が休憩中も休まなかったウサギが4番目になった。タツとヘビは同時に到着したが、タツが空を飛べることに敬意を示したヘビがタツに5番目を譲った。昔から犬猿の仲だったイヌとサルは道中に喧嘩になり、トリが仲裁したため、サル、トリ、イヌの順番になった。実は一番最初に到着をしていたのはイノシシだったが、真っ直ぐにしか走れなかったため、神様の前を通り過ぎ一番最後になってしまった。
●海外の十二支には猫が入っている!?
中国で生まれた十二支は日本に伝わっただけでなく、シルクロードなどを通じてアジアはもちろん、ヨーロッパにまで広まった。海外の十二支にも、それぞれ独自の動物が割り当てられている。
日本以外の多くの国ではイノシシの代わりにブタが入っており、珍しいところではベトナムやブルガリア、ベラルーシのネコ(兎の代わり)、インドの火の鳥(ガルーダ、鶏の代わり)、イランのクジラ(龍の代わり)、モンゴルやトルコのヒョウ(虎の代わり)などが挙げられる。
実は猫に関しては上記の「十二支争奪レース」にも登場している。それによると、会合に行き忘れたネコがネズミにレース日を聞いたところ、1月2日だと嘘を吐かれた。レースに参加できなったネコは、それ以降ネズミを追い回すようになったという。