■双子妊娠時のリスク

 マイナートラブルと同様に、単胎妊娠のときよりも、双子妊娠時はリスクが若干高い。あまり暗い話をして心配が増えるのはよくないが、代表的なものをいくつか紹介しておきたい。兆候を感じたときはすぐに病院に受診できるようにしておこう。

 双子妊娠時は、早くから子宮が大きくなるため、おなかが張りやすい、というのは先に書いた通りだが、このため早産になりやすいと言われている。実際に双子のおよそ半数は早産で産まれてくる。出産の兆候が現れやすくなる妊娠30週目からは、入院となったり、また、張り止めの薬を処方されることもある。いつもよりもおなかが急に張る、破水したなどというときはすぐに病院へ連絡のうえ、受診しよう。

 また、単胎妊娠よりも切迫早産のリスクが高いともいわれる双子妊娠。妊娠初期は極力体を休め、ゆっくりとすごし、もし激しいおなかの痛みや出血がある場合も、すぐに病院へ。

 もともと妊娠時は高血圧になりやすいが、双子を妊娠すると腎機能への負担が大きくなるため、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のリスクも高くなるといわれている。体重増加に気をつけながら、塩分の多い食事は控え、普段よりも食生活に気を配ることが重要だ。

 もう一つ、双子妊娠時のリスクとしては、片方の赤ちゃんだけの流産、通称「バニシングツイン」がある。そのほとんどが妊娠9週から11週の間に起こる。原因は胎児の染色体異常であることがほとんどであり、お母さんのせいではない。残念な結果になろうとも、自分を責めないように! また、そうした知識を夫婦間で共有しておこう。残った赤ちゃんへの影響もないといわれる。

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