NHK「受信料の真実」最高裁“徴収合憲”判決の余波

「NHK受信料を支払うことは義務なのか?」 長年続いてきた、この論争に答えが出た。12月6日、最高裁は放送法に基づくNHKの受信契約制度を「合憲」とし、受信料支払いを拒んできた男性に対し、テレビを設置した06年から現在までの受信料約20万円を支払うよう命じる判決を下したのだ。

 そもそもNHKの受信契約は憲法で保障された「選択の自由」に反するのではないか、というのが長年の争点だったが、「最高裁判決という“お墨つき”を得たことで、今後、NHKがより強気な受信料徴収に乗り出してくることは間違いないと思います。平たく言うと、今回の判決で、“家にテレビがあれば受信契約は義務”“契約を拒んでもNHKが契約を求める裁判を起こして勝訴すれば契約は成立する”“成立すれば、テレビを設置した時点からの受信料をさかのぼって支払わなければならない”という3点が明確になったわけです」(全国紙文化部記者)

 しかし、この判決を受け、NHKの上田良一会長は定例会見で、「引き続き、受信料制度の意義を視聴者に丁寧に説明し、公平負担の徹底に務めたい」としたうえで、「単に訴訟だけをもって受信料を頂戴することは考えていない」と発言。唐突な強権発動はなさそうだ。

■受信料未納者に対する罰則を定めた法改正も!?

 現在、NHK受信料を支払っていない世帯・事業所は約1000万件で、全体の約2割だ。NHKがすべてを訴訟に持ち込むことは不可能なだけに、受信料徴収に関して当面、大きな変化はないとも言える。だが、次のような憶測もある。「放送法64条1項には“受信設備(テレビ)を設置した者は協会(NHK)と受信についての契約を結ばなければならない”とありますが、違反した場合の罰則、罰金などは定められていない。おそらくNHKは受信料未納者に対する罰則を定めた法改正まで視野に入れているはずです」(全国紙社会部記者)

■日本テレビの売上高の2倍以上!

 実はNHKの受信料収入は3年連続で過去最高を更新中。昨年度は6769億円に達している。この数字は民放のトップ、日本テレビの売上高の2倍以上に相当する巨額なものだ。04年にプロデューサーの制作費着服など不祥事が相次ぎ、受信料支払い率は7割を切るところまで急落したが、法的措置や受信料徴収の外部委託などで持ち直し、現在は8割弱にまでに戻ってきた。「黒字続きの潤沢な資金、巨額な内留保をいいことに、総工費3500億円ともいわれる新放送センターの建設も予定されています。六本木のテレビ朝日新社屋の建設費が約500億円ですから、いかに途方もない数字か分かりますよね」(民放関係者)

 職員の平均給与が1700万円と高額なことや湯水のように使われる番組制作費などNHKの抱える問題点は枚挙にいとまがない。「今やNHKは世界最大の放送局。受信料を義務化するのであれば、視聴者の権利についてもっと配慮があってしかるべきでしょう。2年後に番組の同時ネット配信が始まると、ネット受信料の徴収も現実のものになるし、国民の厳しいチェックの目が必要です」(放送評論家の小田桐誠氏)

 “みなさまのNHK”の暴走を許してはならない。

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