■かかりつけの医者や専門病院へ

 では、医者の誤診から身を守るためには、どうすればよいのか?「まずは“信頼できる”かかりつけ医を持つことです。信頼できる医師とは、誤診をしない医者ではなく、大学病院や専門医の人脈があり、重大疾患の疑いがあるときは、紹介状を書いてくれる医師です」(前同)

 医者の中には「オレの見立てや治療が不満なら勝手にしろ!」と横柄な態度を取る人もいるが、そんな医者は論外というわけだ。

 2つ目は、急な体調不良や症状が長引くときは専門病院で診てもらうこと。専門医は病因のさまざまな可能性を検討することができる。その具体的な例を挙げてみよう。Aさん(59=男性)は、昨年春、みぞおちに痛みを感じ、近くの病院で受診。検査の結果、特に異常なしと診断され、一般的な胃薬を処方されたが、「それでも痛みが続くので胃の専門病院を受診したところ、痛みや痛むところを詳しく聞かれて、CT検査を受けると、狭心症による胃の痛みと分かったのです。担当医から“みぞおちが痛い人は、こうしたケースがある”と説明され、血行を良くする薬を処方されました。その後、心臓血管にステントを入れる手術を受けると、胃の痛みはすっかりなくなりました」(Aさん)

 専門医は保健所に行けば、すぐに探すことができる。「症状を話せば、いくつかの専門病院を紹介してくれるはずです。精神疾患は都道府県の精神保健センターが対応し、がんの場合は、がん拠点病院が一番です。拠点病院はセカンドオピニオン制度も整っているため、安心です」(牧氏)

 3つ目は、病院を受診して2週間経っても症状の改善が見られないときは、別の病院を受診すること。「基本的に、薬は2週間分、処方されます。病状改善の目安が2週間だからなのです。それでも良くならずに、同じ薬を出されるような場合は、誤診の可能性もあります」(前同)

 医者の診断や治療をうのみにせず、症状が改善しないときは別の医者、病院で受診する。これが誤診から身を守る方法といえそうだ。

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