「がん」で死なないための“コツ”とは?

 日本人男性が罹患する確率は62%。そして死亡確率は25%。そのときが来る前に知るべき重要知識を公開!

 家族や親戚で集まる機会の多い年末年始。会えばまずは健康の話となり、日本人の死因1位・がんの話題になることも多いだろう。そんな国民病に“負けない”ためには、どうすべきか――識者の証言や最新の研究結果をもとに、知っておくべき項目をまとめた。

■タバコ、食事などに気をつけて定期検診を

 がんに屈しないために、まず大事なのが予防策だ。『日本一わかりやすいがんの教科書』(PHP研究所)の著書があり、これまで1万人以上のがん患者を診てきた『健康増進クリニック』(東京都千代田区)の水上治院長は、「がんの原因はたばこ30%、食事や肥満が30%、運動不足が5%。これらの要因に気をつければ3分の2は防げると思っていい」と話すのだ。

 さらに、定期的に検診を受けるニ段構えで対策すれば、がん死亡リスクをかなり下げられるという。ただし、その検査とは、「肺がんには胸部CT検査、胃がんには胃カメラ、大腸がんには大腸内視鏡検査をしてください」(前同)

 部位別の専門検査を行うことで、その兆候を発見しやすくなるということだ。ちなみに、この3つのがんは日本人男性の部位別がん死亡率トップ3。この3つだけで、がんの死因の4~5割をカバーしている。自ら開発した、ほとんど痛みがない「水浸法」という独自技術で、大腸内視鏡検査を4万人以上に実施してきた『新宿大腸クリニック』(東京都新宿区)の後藤利夫院長は、こう話す。

「大腸内視鏡検査は検査であると同時に、大腸にできたポリープやがんを切除する治療でもあります。大腸がんは進行が決して早くないので、2~3年に一度検査すれば、大腸がんリスクは皆無になると言っても過言ではありません」 しかも、この検査は健康保険に入っている人は5000円前後で受けられ、時間も10分程度。がん予防も気軽にできる時代なのだ。

■告知、セカンドオピニオンの重要性

 では、実際にがんになってしまったら、どうすればいいのか。前出の水上氏は、まずは「告知されること」の重要性を説く。「告知を嫌がる人もいますが、がんが進行すれば必ずバレます。自分がどんな病気で、どんな対策を取ればいいのか、判断するためにも、しっかりと告知を受けてください」

 告知が予想される際、あるいは告知された次の受診時には、ぜひ、家族や親しい友人に同行してもらいたい。精神的に不安定な状況では、大事な話を失念することがかなり多いそうだ。「また、余命を聞く患者さんもいますが、医学上の根拠もなく、誰にも分かりません。それに、ショックを感じて立ち直れなくなる場合がほとんど。余命を聞いてはいけません」(前同)

 また、告知を受けた医師の診療や治療方針に納得できないときはもちろん、納得できたとしても、その治療内容が本当に自分に合っているのかを確認するために、セカンドオピニオンを必ず受けるべきだという。

■手術、放射線療法、化学療法で適切な治療法は?

 現在、日本のがん治療では手術、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3つが「標準治療」とされている。この中から適切な治療法を探ることになり、告知されたその場で「すぐ入院して、手術することをお勧めします」「ちょうどキャンセルが出て、手術室が空きました」などと拙速に手術を勧められてもハッキリ断るべきだというのだ。

「たとえば、肺がんと分かると真っ先に手術となりますが、最近は放射線療法の選択肢もあり得ます。他のがんでも、手術の場合、リスクは低くないですから……」(同)

 とはいえ、抗がん剤は副作用が軽くないので、服用には慎重を期すべきという。「手術できないステージ4以上で他に選択肢がなく、抗がん剤を使用することもあるでしょう。その場合、保険適用の漢方薬を併用することで副作用を格段に軽くできる場合もある」(同)

 また、一般では聞き慣れないが、「ラジオ波焼灼療法」という治療法もある。これは、肝臓がん治療で肝臓を切除せずに手術と同様の効果が得られ、1回の傷口は針1本なので繰り返し行えるというもの。しかも、保険適用内なのだ。

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