■金持ち二世の友人である特権を生かし…

 東北で絵を売るギャラリーを経営するGさん(39)。もともとは東京でサラリーマンをやっていたという。「実家のある北陸の大学を出て、東京でデザイン関係の会社に就職しました。バリバリ仕事していましたね」(Gさん=以下同)

 だが、転機は突然到来。「同期入社の男と仲良くなったんですが、そいつ、オヤジが規格外の稼ぎ方をしている金持ちだったんです。不動産を運用している人だったんですが、物置同然で空いているスペースがあったので、“そこを使って、ギャラリーでもやらないか”と持ち掛けられました」

 少し東京に疲れていたというGさん。この話に乗っかろうと決めたという。物件は東北地方の某都市にあるビルの一角。「物置というか、廃墟同然の汚さでしたね。ゴミを捨て、コツコツ掃除をして、人が来ても良いくらいにキレイにしました」

 賃料は、“寝かせておいた土地だから”という理由でタダ。金持ち二世の友人である特権がフルに生きた恰好となった。「デザイン関係の仕事をしていた人脈から、絵を描けるアーティストに声を掛けて展示を企画しました。地元の人も来てくれるようになりました。たまに誰も来ない日もありますが」

 月に1回の展示で5万円の絵を10枚売れば、50万円。その半分が手数料として懐に入るので、余裕で生活できるはずだった。「世界は“アートバブル”といって賑わっているんですが、自分の知人のアーティストにはそう有名な人はいない。つまり、“買っても売れない絵”なので、ほぼほぼ売れないんですよね。日本でも、絵を買って、家に飾る習慣があればいいんですが……」

 世の中をディスっても始まらない。Gさんの主な収入源は、ギャラリー内で販売する飲み物類と、絵を使ったTシャツなどのグッズ類だという。「月収は月によってかなり変動がありますが、暮らしてはいけますね」

 とはいえ、寝泊まりする家を借りるのには厳しい額。ギャラリーの奥で寝袋を敷き、寝ているという。「食事は、近所のインドカレー店のテイクアウト。量も多いので、これを1日に3回に分けて食べています。東京で神経を擦り減らして働くより、100倍マシですよ」

 どう生きるかは結局、あなた次第!

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