由伸巨人の復活Vを阻む「5つのアキレス腱」

 ビジョンのない指揮官、崩壊するチーム。無間地獄に陥った球団にかつての輝きは微塵もない――!!

■マイコラスがメジャーリーグに復帰

 昨季、11年ぶりのBクラスに転落した巨人軍。2018年の新シーズンは、3年契約のラストイヤーを迎える高橋由伸監督の下で、捲土重来を期すことになる。しかし、チームには、すでに暗雲が漂っている。まず挙げられる欠点が、(1)投手陣の大穴だ。スポーツ紙記者が言う。「昨季14勝のマイコラスがメジャーに復帰。巨人も引き留めようとしましたが、相手が2年18億円の契約では太刀打ちできない。それで西武からFAで獲得したのが、野上亮磨でした」

 巨人でヘッドコーチを務めた野球解説者の須藤豊氏も、こう首をかしげる。「マイコラスが抜けた穴は、とてつもなく大きい。代わりに野上というけど、勝ち星と負けがほぼ同じピッチャー。やっぱり、貯金できる投手でないと」

 野上は昨季キャリアハイの11勝を挙げたものの10敗。しかも巨人はFAの人的保障として、西武に高木勇人を持っていかれ、「これじゃFAじゃなくて10勝投手同士のトレードだよ」(専門誌記者)と嘲笑されることに。「これまでの巨人は、困るとFAで選手を補強してきましたよね。落合博満から始まって、広沢克己、清原和博、江藤智、工藤公康、小笠原道大、杉内俊哉、村田修一。でも、今は大物はみんな海外に行く。FAといったって、ろくな選手が残ってませんよ」(夕刊紙デスク) 確かに、マイコラスの穴は野上では埋まりそうもない。

■外国人の大砲を獲得するも、先行きは不安

 来季、予想される巨人の陣容を見てみよう。投手の先発ローテーションは、菅野智之、田口麗斗、畠世周、FA獲得の野上亮磨の4人は確定。残りの2枠を大竹寛、内海哲也、謹慎が解ける山口俊、吉川光夫らが争う。抑えは、7回が澤村拓一、8回にマシソン、9回がカミネロ。打線は、
1番・中堅 陽岱鋼
2番・二塁 ――
3番・遊撃 坂本勇人
4番・左翼 ゲレーロ
5番・三塁 マギー
6番・一塁 阿部慎之助
7番・右翼 長野久義
8番・捕手 小林誠司
というオーダーだ。

 二塁は吉川尚輝、山本泰寛、寺内崇幸らが競争することになる。16年のドラ1である吉川は、阿部慎之助がトークショーで、「一番期待している。ポテンシャルが高いし、やっぱりドラ1だけある。守備範囲が広く身体能力が高い。(広島の)菊池に守備範囲は匹敵するんじゃないか」とコメント。

 とはいえ、Bクラスが決まっていた最終戦で放った3本が昨季の全安打なのだから、未知数もいいところだろう。17年巨人の最大の問題だった貧打を解消するため、獲得したのがゲレーロだ。由伸監督が就任の際に出した条件「大砲の獲得」がようやく満たされたことになる。この大型補強で「阿部を6番という楽な打順で打たせる」という由伸監督の構想が実現しそうだが、これもどうやら悪手。(2)制御不能な外国人選手という不安要素を抱えることになる。「ゲレーロは、それしかなかったということ。技術は優れているけど、中南米の選手は扱いが難しい。俺も経験があるけど、甘やかすと、すぐワガママを言いだすし、かといって締めつけてもダメ」(前出の須藤氏)

 スポーツ紙の中日担当記者も、こう語る。「ゲレーロは、球団の方針には一切従わなかったですね。雨が降ったら“なんで練習しなくちゃいけないんだ”。打てなくて特打ちを、と言っても“そんなことしない”。しかも、打てないとベンチ裏で大暴れするみたい。ハマスタの三塁側ベンチ裏でバットを振り回して、そこらへんをボッコボコにしたらしいです(笑)」

 中日側は引き止める気はさらさらなく、「もともと、元所属のドジャースと契約が残っていて、年俸5億7000万円のうち、中日の負担は1億5000万円で、お試しみたいなものだった。“もう払えんのでねぇ”って感じです。あとは、巨人といつモメるかが楽しみです」(前同)

 そのゲレーロと巨人は2年8億円で契約。「35本の本塁打のうち、22本がソロ。そのせいか、打点は86と物足りない。得点圏打率も.258と低いんです……」(前出の専門誌記者)

 鹿取義隆GMが奮闘し、先方が出した3年契約の条件を2年に縮めたのが精いっぱい。先行きは不安だ。

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