「初彼岸」は何をするべき!? その由来や、先祖供養のあり方を解説の画像
「初彼岸」は何をするべき!? その由来や、先祖供養のあり方を解説の画像

 平成生まれの人が「彼岸」と聞いて思い出すのは映画やゲームにもなった、吸血鬼島が舞台の漫画『彼岸島』(松本光司/講談社)か、はたまたカードゲームの「遊戯王OCGデュエルモンスターズ」のデッキ名だろうか。昭和の人なら、この時期にお墓参りをした記憶があるかもしれない。“暑さ寒さも彼岸まで”というフレーズはたまに耳にするけど、そもそもお彼岸って、いつからいつまで!? あいまいになってしまったその常識や意味、意外に知られていない初彼岸のアレコレなどを紹介したい。

■そもそも「彼岸」って何のこと?

 仏教用語で、あの世のこと。彼岸という言葉は仏教の教えに由来する。私たちが生きている現世が「此岸(しがん)」で、川を挟んだあちら側のあの世が「彼岸」だ。彼岸の向こうには、悟りの世界「涅槃(ねはん)」広がっている。煩悩の川を越えて初めて涅槃に到達できるという。この川が、俗にいう三途の川だとされている。

 言葉としては、もともとあったサンスクリット語の「パーラム」という言葉が意訳されている。仏教には「波羅蜜(はらみつ、パーラミター)」という言葉があり、これはパーラム(彼岸)に到達するという意味を持っている。

●「彼岸花」との関係性は?

 秋彼岸の頃になると、群生して赤や白の花を咲かせる「彼岸花」。この時期に開花することからネーミングされたという説、球根に毒性があるので「食べるとあの世へ行く」という意味でつけられた説などがある。水田や墓地でよく見られるのは、ネズミや害虫対策のために植えられることが多かったためだ。

 ちなみに「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」という別名には、サンスクリット語で“天界に咲く花”という意味があり、日本人の生死観と結びついた植物であるということは間違いなさそうだ。

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