>■お彼岸の時期はいつ?

 1年に2回やってくる、お彼岸の時期は「春分の日」と「秋分の日」の前後。「春分の日」と「秋分の日」を中日(なかび)とし、それぞれの前後3日を合わせた7日間が「彼岸」だ。初日は彼岸入り、最終日を彼岸明けとする。

「お彼岸」は日本独自の季節の移り変わりを表す「雑節」における暦日のひとつ。雑節には他に「節分」や「八十八夜」「入梅」「土用」などがある。“暑さ寒さも彼岸まで”とはいっても、春彼岸の頃はまだまだ夜寒く、秋彼岸は残暑の真っ只中だ。ただ、季節の変わり目にあることは間違いない。

●春分・秋分の日は毎年違う!?

「春分の日」と「秋分の日」は、太陽が通る「黄道」の軌跡を24等分した「二十四節気」の割点に位置する。この2日は太陽が真東から昇り、真西に沈む日。昼と夜の長さが同じになる日として知られているが、本当はやや昼のほうが長い。それは、どのタイミングを日の出と日の入りと定義するかに関わっている。東の水平線から太陽が頭をのぞかせた瞬間が日の出、西の水平線に沈みきった瞬間が日の入りだ。これがどちらも太陽の中心点が水平線にかかる瞬間ならスッキリするのだが、現状では太陽の直径ひとつ分の移動時間だけ昼が長いことに。さらに、地球は大気の層に覆われており、日の出の際は光の屈折で地平線が浮き上がって見える。そのことで2分ほど日の出のほうが早まることになる。実際、年によっては十数分から数日間分、昼のほうが長いという誤差が生じている。

 例年、春分の日は3月の20日か21日ごろで、秋分の日は9月22日か23日ごろ。「国立天文台」の天体観測によって、太陽が春分点と秋分点を通過する日が報告され、祝日の日取りが決まる。どちらも戦前までは「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」という宮中祭祀で知られ、明治時代は国民の祝日でもあったが、1948年(昭和23年)に「先祖を敬い、亡くなった人を偲ぶ(しのぶ)日」として「春分の日」と「秋分の日」という名前に変わった。

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