■春と秋のお彼岸でするべきことは?

 昔から日本では春分・秋分の頃に豊作を願う風習があり、仏教の浸透とともに秋の彼岸として先祖を供養するようになったようだ。とはいえ、一般人がすべき行事や儀式は特にない。お彼岸の期間に祝い事や工事などをしてはならないという説もあるが、実際のところ、明確な禁忌事項はないようだ。

 もっとも大切なのは、供養する心。家族で仏壇や墓石を清めておはぎなどをお供えした後、ご先祖に感謝しながら食べよう。

●知ってた? お墓参りの作法とマナー

【持ち物】

  • ・線香
  • ・ライター
  • ・花
  • ・お供え物(故人が好きだったものが好ましい)
  • ・お供え物を置くための半紙(ティッシュで代用する人が多い)
  • ・スポンジ(水をかけるだけではなく、きちんと汚れを落としたい場合)

【手順と作法】

 寺院墓地なら、本堂にお参りしてからお墓へ向かう。お墓に着いたら、掃除から始めよう。周囲のゴミを拾い、もし雑草が生えていたらつみ取る。大抵の場合、水道の近くに桶とひしゃくが設置されているので、水をくんで墓石にかけ、ホコリなどを洗い流す。仕上げに打ち水をし、中央にある水鉢のくぼみと花立に水を注いでおこう。花はあらかじめ40cm前後に切りそろえておく。長すぎると倒れてきてしまうかもしれない。

 次に、線香に火をつける。束で着火しても間違いではないが、宗派によって2本、3本と決まっていることも。気になる人は、法事などお坊さんに会うタイミングや、お寺の社務所などで一度聞いてみるといいだろう。線香に火がついたら手であおいで炎をおさめ、香炉へ。人の吐く息は不浄とされるので、吹き消すのはNGだ。最後に落ち着いて手を合わせ、ご先祖に思いをはせよう。去り際は当然、立つ鳥跡を濁さず。花と線香以外のものは片づけて帰る。

【注意点】

・霊園のルールに従う(開園時間や火気の使用など)

・タワシや歯ブラシで墓石をこすらない(墓石が傷つく可能性あり)

・ジュースやアルコールを墓石にかけない(墓石が腐食する可能性あり)

・花粉や落ち葉の多い花は避ける(周囲の墓を汚す可能性あり)

・食べ物は持ち帰る(腐ったり、カラスや動物の被害になる)

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