●お彼岸とお盆の違いって?

 お彼岸はあの世にいるご先祖様を、この世から思う期間。あの世とこの世が近づく期間だとされるので、供養にも、涅槃に近づく修行にももってこいの時期とされている。

 一方、お盆にはご先祖様の魂がこの世に帰ってくる時期。いわばご先祖様の里帰りのようなもの。家で一緒に過ごし、供養をしてまたあの世へ送り出す。

 しかし「彼岸団子」や「霊供膳」などを用意する地域では、彼岸入りには先祖をお迎えするおもてなしとして、彼岸明けにはお土産としてお供をしているようだ。もともとお彼岸は仏教の儀式というより、土着的な自然信仰がベースにあった。豊穣祈願と先祖供養の風習に、仏教が後づけされたという見方も根強い。

■まとめ

 お彼岸の由来や意味を知ると、その期間にどう過ごすべきかが理解できる。人々は先祖を思うとき、人の生死について考え、また自分自身の悩みや迷いと対峙することになる。

 漫画『彼岸島』では、舞台を吸血鬼が巣食う死の世界とイメージし、「遊★戯★王」のカードゲームでは彼岸のデッキに属するモンスターは墓地で威力を発揮する。どちらも先祖供養という視点からはかけ離れているが、死後の世界をイメージしているという点では的を得ているのかもしれない。

 さまざまなことが複雑化しためまぐるしい現代社会において、お彼岸のような時間があることで、自然と自身のルーツと人生を見直すことができる。自分はどこから来てどこへ向かうのか? 春分の日、秋分の日はお墓参りに出かけて考えてみてもいいだろう

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