正月飾りの「タブー」ほか、知らないと恥をかくマナーを解説!の画像
正月飾りの「タブー」ほか、知らないと恥をかくマナーを解説!の画像

 1年の始まりである正月には、古くから繰り返されてきた行事や決まりごとなどがたくさんある。今回は、その中の1つである「正月飾り」にスポットを当て、知っているようで意外と知らない情報を集めてみた。

■意外と知らない!?「正月飾り」の基本

●そもそも、正月とは

 正月とは本来、旧暦における1月の別称である。しかしながら、一般的には1月1日〜1月7日、または15日か20日までを松の内と呼び、いわゆる正月行事を行う期間としている。正月行事の多くは、新年を司り、元旦に各家にやって来て人々に健康や幸福を授けるとされる「年神様」に関連している。新年に多くの幸せを授けてもらえるよう、失礼のないようお迎えしておもてなしし、お見送りするのだ。

●正月飾りとは

 正月飾りとは正月に飾るもののことである。さまざまな種類があるが、やはり多くが元日に降臨する「年神様」に関係しているため、前年のうちに準備するのが慣例となっている。

■正月飾りと言えばコレ!4大定番品とその意味

 さっそく定番の正月飾りを紹介していこう。

●門松(かどまつ)

 門松(かどまつ)とは、門や玄関など家の入り口にあたる場所に飾る松のことである。松飾り、飾り松、立て松という呼び方もある。「祀(まつ)る」とかけられることもあって、松は古くから神様の宿る神聖な樹木とされてきた。年神様は、門松を目印にして天上世界から降りてくる。門松を飾っている期間のことを松の内と呼び、この間は年神様と一緒に過ごすことができる。

●注連飾り

 注連飾り(しめかざり)とは、注連縄(しめなわ)に縁起物などを飾りつけたもののことである。玄関や神棚に飾ることが多い。標縄、占縄、七五三縄とも書く。天岩戸に閉じこもっていた天照大御神が外に出てきたときに、再び中に戻ってしまうのを防ぐために、注連縄を張ったことが由来とされている。つまり、注連飾りが神様の領域と俗世を隔てる結界となり、内側を年神様が過ごすにふさわしい神聖な場所にするのだ。注連飾りには前垂れ注連縄、ごぼう注連縄、大根注連縄、輪飾り、玉飾りなど多くの種類があり、地域や用途によって使い分けられている。

●鏡餅(かがみもち)

 鏡餅とは、大小2段に丸餅を重ねたもののことである。お迎えした年神様へのお供えものであると同時に、滞在中の居場所にもなるため、年神様に来てもらいたい大切な場所に飾るのが一般的だ。玄関から奥まった場所に設置するのがよい。平安時代に行われていた健康と長寿を祈願する「歯固めの儀」が由来と言われている。餅が八咫鏡(やたのかがみ)、橙(みかん)が八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、干し柿が草薙剣(くさなぎのたち)に見立てられており、合わせて「三種の神器」を表しているとされる。松の内が明けると「鏡開き」を行って餅を割り、一年の無病息災を祈って家族で食べるのが習わしだ。

●破魔矢(はまや)

 破魔矢とは、悪魔をはらい幸運を射止める矢のことである。正月の縁起物として初詣期間中に神社、寺院で授与される。1年間は神棚や床の間、玄関、リビングなどに飾っておく。弓の腕を試す「射礼」(じゃらい)という正月行事に使った弓矢が由来とされている。破魔矢を放つ弓は破魔弓(はまゆみ)と呼ばれる。破魔矢を破魔弓で射って初めて意味を成すため、本来的にはセットで飾るのが正しい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3