四季に恵まれている日本では、古来から移ろいゆく季節とともに生活する知恵や、四季折々の美しい自然を愛でる豊かな心が育まれてきた。季節の七草も、そんな国だからこそ生み出された、実に日本らしい風物と言えるだろう。
■実は春夏秋冬の4パターンもあった!? 季節の七草
●そもそも、七草とは
七草とは、季節を代表する7種類の野草のことである。単に七草という場合には、最も知名度が高い「春の七草」を指すことが多い。
●春の七草
発祥や種類には諸説あるが、現在の7種類は鎌倉時代に書かれた『河海抄(かかいしょう)』の中にある「芹(せり)、なづな、御行(ごぎょう)、はくべら、仏座(ほとけのざ)、すずな、すずしろ、これぞ七種」(作者不明)という歌が由来とされている。春の七草は、健康を祈念して1月7日に七草粥として食べる風習がある。
※順)野草名(よみがな)ーーー現在の名称
- (1)芹(せり)ーーーセリ
- (2)薺(なずな)ーーーナズナ
- (3)御形(ごぎょう)ーーーハハコグサ
- (4)繁縷(はこべら)ーーーコハコベ
- (5)仏の座(ほとけのざ)ーーーコオニタビラコ
- (6)菘(すずな)ーーーカブ
- (7)蘿蔔(すずしろ)ーーーダイコン