■蒙古斑じゃない!? 注意したい青アザ

 アザの中には蒙古斑と勘違いしがちな青アザもある。なお、アザという言葉は俗語であり、正式には母斑(ぼはん)という用語が使われる。いわゆるホクロも母斑の一種とされている。ここでは蒙古斑と紛らわしい母斑を紹介しよう。

●太田母斑(おおたぼはん)

 太田母斑とは、目の周りを中心に、頬・おでこ・鼻などの顔面に生じるアザのことである。原因は蒙古斑と同じメラノサイトにあり、悪性ではない。太田母斑は、比較的浅い位置に色素細胞が沈着しているため、蒙古斑に比べると色調としては茶褐色が強い青アザになることが多い。顔面の左右どちらか一方に生成されるのがほとんどで、皮膚に限らず眼球や口の粘膜に色が出ることもある。生後12か月までに現れて少しずつ拡大するタイプと、思春期以降になってから出現するタイプに分かれるが、自然に消えるのは稀である。治療法としては、やはりQスイッチレーザーなどによるレーザー治療が一般的だ。

●伊藤母斑(いとうぼはん)

 伊藤母斑とは、肩から肩甲骨や上腕部に現れるアザのことである。太田母斑の肩バージョンと捉えて問題ない。太田母斑や伊藤母斑の場合は、乳幼児期にレーザー治療を行っても、後で再発する可能性があるため、思春期以降に施術するのがよいとされている。

●青色母斑(せいしょくぼはん)

 青色母斑とは、青色で表面がしこり状に盛り上がっているアザのことである。発現部位に決まりはなく、顔や体、手足などさまざまな場所に見られる。大半が1センチ以下と小さく、痛みやかゆみがもなく悪性化することもない。しかし大きさが1センチ以上ある場合は、悪性化する細胞増殖型の疑いがあるため、病院で診察してもらうのがおすすめだ。青色母斑ではレーザー治療ではなく、母斑を丸ごと取り除く切除手術が選択されることが多い。

■まとめ

 大きい青色母斑以外は良性であるため、特に心配しすぎることはない。しかし気になるときは皮膚科などで診察を受けて、医師と一緒に対処法を検討しよう。いずれにしても、子どもの心身、メンタルを最優先に考えて最適な方法を選択したい。

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