■仏教の教えでは、春分の前後がお彼岸の期間

 お彼岸とは、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた7日間を指す。彼岸とはあの世のことで、この世は此岸(しがん)という。昼と夜の長さが近づくこの期間は、あの世とこの世の距離が近づくと考えられている。

 また、阿弥陀如来がいる極楽浄土は西の方角に。太陽が真西に沈む春分の日に先祖供養をすることが、極楽へ行くための修行になる。お彼岸の期間には「六波羅蜜(ロクハーラミター)」という6つの仏教の教えを実践するといいとされている。

■古くから日本の季節や土着信仰に息づいていた春分の日

「お彼岸」は日本独自の季節の移り変わりを表す「雑節」における暦日のひとつ。「節分」や「八十八夜」「入梅」「土用」などの仲間だ。“暑さ寒さも彼岸まで”という言葉どおり、夜が長かった冬の終わりを感じる目安として、生活になじんでいる。古来から、農村部では春分や秋分の時期に豊穣祈願や祖先の供養をする風習があったようだ。

■春分の日の主な行事やイベント

●お彼岸の先祖供養

 お彼岸期間の中日である春分の日には、お寺で彼岸会という法要が行われる。一般的にはお墓参りをしたり、仏壇を清めたりして先祖供養をすることが多い。お供え物はおはぎが定番。地域によってはぼた餅と呼ばれる、もち米やうるち米をあんこで包んだ大振りの団子だ。その呼び名や形状、つぶあんかこしあんかなどには地方色が表れる。春分の日には、おはぎでなくとも故人の好きだった食べ物を供え、当日中に感謝して家族で食べるのが好ましい。

●休日のレジャーイベント

 お彼岸の時期は、里帰りなどで人の移動が活発化。各地のレジャー施設や文化施設、大きな公園などではイベントが催されるので、チェックしてみよう。時期としては、梅園が見頃を迎えたり、大相撲の春場所が開催されていることが多い。

■まとめ

 天体観測、暦、法律、仏教と、春分の日にはいろいろなトリビアがあった。2018年の春分の日は、3月21日。たまには歴史に思いを馳せてみてもいいかも?

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