■ホワイトハウス内から五輪後に開戦という話も!?
この南北急接近という異常事態に、日米はどう対処しているのか。国際政治ジャーナリストの山村明義氏が話す。「ホワイトハウス内から、五輪後の3月14日か17日に、“北朝鮮と開戦”という話が漏れ伝わっています。米国は、決してハード路線を崩したわけではないんです。今、米朝は互いに韓国の袖を引き合い、猛烈に駆け引きしている最中。米国は水面下で、かなりのプレッシャーをかけています」
米国としては、米軍を駐留させている韓国を北朝鮮に取られては一大事。事実、韓国の消息筋からは「北朝鮮に“借り”を作った韓国は、五輪後も米韓合同軍事演習の実施を拒むだろう」との声が出始めている。「米国は五輪期間中、世界最強の原子力空母カール・ビンソンを中心とする打撃群を朝鮮半島周辺に派遣します。北朝鮮の牽制が目的とされていますが、真の狙いは韓国へのプレッシャーなんです」(前出の外交筋)
■安倍晋三首相も周囲に不満
安倍晋三首相も、韓国の動きを警戒し、表向きは口を閉ざしているものの、「韓国のやっていることは愚の骨頂」「米国も怒っている」などと、周囲に不満をぶつけている。ただし、「日本としては米朝の綱引きを見守るしかない」(前同)という。
では、この綱引きに米国が敗れるようなことになれば、どうなるのか。「ここまで黙って眺めてきた中国に主導権を取られてしまいます。日米両国にとって、その事態だけは避けたいところです」(同)
ところが――。辺氏が最悪のシナリオについて、こう語る。「韓国の優柔不断さは今に始まったことではありません。韓国が米国と北朝鮮とのどちらを選ぶかというと、必ずしも米国とは言えないんです。五輪終了後の4月か5月には、米韓軍事演習が行われます。その頃には、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルを発射するでしょうから、トランプ大統領も“強硬手段”に出る可能性がある。米朝の狭間で文大統領は苦慮し、最終的には米韓両国は互いに嫌悪感を抱く関係になるかもしれません」
五輪を乗っ取り、さらには経済制裁の抜け穴も確保した北朝鮮。片や、何もかも骨抜きにされそうな韓国。安倍官邸にとっては、メダルの数も上の空となる五輪となりそうだ。