お腹にたまった「内臓脂肪」を撃退する方法の画像
お腹にたまった「内臓脂肪」を撃退する方法の画像

 乱れた食生活が続いたせいで太った人はご注意を。その脂肪が命を危険にさらす可能性もあるというのだ!

 年末年始の暴飲暴食で正月太りした体を、どうにかしたい――毎年、そう思う人は多いのではないか。「(お腹まわりにつく)脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の2種類あり、後者のほうが体につきやすい。中高年男性なら、なおさらです」

 こう話すのは『なるだけラクして内臓脂肪を減らす 最新の研究に基づくすぐできる55の方法』(KADOKAWA)などの著書があり、東京・芝浦スリーワンクリニックで名誉院長を務める医学博士の板倉弘重氏。「内臓脂肪が増えていくと高血圧や高血糖、脂質異常を招き、メタボリックシンドロームになって動脈硬化が進行します。最悪の場合、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの糖尿病の合併症を引き起こすのです」(板倉氏=以下同)

 こんな話を聞いて、一刻も早く減らさねば、と思った読者も多いことだろう。「内臓脂肪はたまりやすい反面、食事や運動で工夫すれば減らしやすいのです」

■コンビニ食の注意点

 さっそく、「内臓脂肪撃退法」を食事面からみていくことにしよう。まずは、読者の皆さんもよく利用するであろうコンビニ食。「おにぎりとカップ麺といった、両方とも炭水化物の組み合せになってしまうメニューは避けてください。これでは炭水化物に含まれる糖質を摂りすぎてしまい、血糖値が上がり、内臓脂肪がつきやすくなります。食物繊維が摂れるサラダや、タンパク質が摂れるみそ汁などを選んでください」

 糖質だけでなく食物繊維やタンパク質を摂ることで、血糖値の上昇が緩やかになり、内臓脂肪がつきにくくなるという。ただし、ニンジンやジャガイモなどは糖質を多く含むので、ご注意を。

■野菜から食べ進める

 食べる順番にも気をつけてほしいという。「煮物やおひたしなどの野菜のおかずからスタートして、それからメインの肉や魚のおかず、最後に漬物やみそ汁と一緒に、ごはん(白米)を食べましょう」 食物繊維やタンパク質を先に摂ることで、糖質の吸収を抑えるのだ。

 また、規則正しく1日3回の食事が大切だという。「朝食抜きの1日2食では体内時計が乱れてしまい、内臓脂肪が増えやすくなってしまいます。バナナ1本でもかまいません、エネルギーになるものを少量でいいので食べて、生活リズムを整えましょう」

 帰宅が遅くなり、夕食が夜遅くなるときは?「そういう場合は、19時くらいまでに、少量でかまわないので、おにぎりなどを食べましょう。私のオススメは“きな粉ヨーグルト”です。市販のヨーグルトに、きな粉をかけるだけ。きな粉には食物繊維が豊富に含まれているのです」

 夕方にちょい食いすることで、昼食から時間が空いてしまうことによる空腹感からのドカ食いを防げるという。「なにより、夜遅い食事は、あとは寝るだけの活動しない時間帯なので、カロリーがエネルギーとして消費されず、内臓脂肪がたまってしまいます。夕方にちょい食べし、その後、本格的な食事をするなら、こんにゃくや海藻、野菜を中心に、肉や魚などのタンパク質を摂るメニューにしましょう」

■1日1.5リットルの水分補給

 また、水分不足になると代謝が悪くなるので、中高年の場合、血液の循環を良くして糖分の吸収を抑えるために1日に1.5リットル程度の水分補給をしたい。「水のかわりに炭酸水を飲むのもいいでしょう。炭酸水は、体内の酸素の供給量を増やし、その結果、血管が拡張され、血行が良くなって代謝が上がるのです。おまけの効果もあります。胃の中でガスが発生し、満腹感が得られることで、食事量が減ることも期待できます」

 ただし、炭酸だからといってもビールはNG。利尿作用があるので、水分を摂ったことにならない。

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