■メジャーリーグのワールドチャンピオンの称号を!

 イチローの日本球界復帰は、日本の野球ファンにとっては喜ばしい話だが、本当に実現するのか。メジャーから日本球界に復帰した経験を持つ評論家の藪恵壹氏は、イチローの日本復帰には否定的だ。「彼にはまだまだメジャーでやっていける力があるし、メジャーで野球を続けたいと考えている。ギリギリまでメジャー残留の道を探っていくと思います」

 また、前出の福島氏も、どちらかと言えば藪氏と同意見。大物の獲得に失敗したチームが補強に乗り出す可能性が高いというのだ。「現在、イチローの去就がなかなか決まらないのは、FA市場の動きが例年より鈍いからです。目玉のダルビッシュでさえ、1月下旬の段階で行き先が決まっていない。そのため、(第四の外野手として需要のある)イチローの去就が決まるのは、まだ先になるんじゃないでしょうか」

 イチローがメジャーに固執する理由は、メジャーで達成していない“大きな目標”があるからだという。「イチローはメジャーで、すでに殿堂入りが確実といわれる素晴らしい実績を残しています。しかし、ただ一つ手に入れていないのがワールドチャンピオンの称号なんです」(前出の藪氏)

 これまで殿堂入りした選手のほとんどがチャンピオンリングを手にしている。イチローとしては、これをどうしても手に入れたい。「優勝に近い有力球団が今のイチローにオファーを出す可能性は低いんですが、メジャーチームである限り、リングの可能性はある。だからこそ、イチローはメジャーに固執しているんです」(福島氏)

 確かに、イチローには夢の実現を果たしてもらいたい。しかし、イチローのプレーを今一度、日本で見たい――。「もし帰ってくることになったら、殿堂入り確実な現役バリバリのメジャーリーガーが日本にやって来るという初めてのケースです。それはプロ野球にとっても素晴らしいこと」(福島氏) はたして、歴史は動くのか――。

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