子どもの「しつけ」に失敗しないために、親が学んでおきたい心構えとは!?

 子どもに対して、基本的な生活習慣、社会や人間関係のルールなどを親が教え導いていくために必要なことが「しつけ」。犬や猫に対しても飼い主は「しつけ」をおこなうが必要である。とはいえ、いざ「しつけ」を実行してみると、子どもにうまく伝わらずに思い悩む親は多い。今回は、「しつけ」をする側に求められる心がけなどを紹介する。

■「しつけ」とは?

 親は、子どもの成長段階に合わせて、子どもが社会生活に適応していくために、生活習慣、ルール、マナーなどの「しつけ」(躾)をおこなう必要がある。手洗いや歯磨きなどの基本的な生活習慣、あいさつのやり方、交通ルール、公共の場におけるマナー、人間関係のルール、やってよいことといけないことの区別など……しつけとは子どもが社会で通用する人間になるためだけではなく、子どもの生命を守るためにも必要なのである。

■「しつけ」をするときの心得

 何度注意しても同じことを繰り返す、反省している様子が見られない、逆ギレされるなど、子どものしつけがスムーズにいかなくて思い悩む親は少なくない。イライラして子どもに感情的に接してしまい自己嫌悪に陥る……という悪循環が起こるケースもある。ここでは、親が子どもにしつけをおこなうときに心得ておきたいポイントを説明する。

●親と子は、違う人間である

 まず念頭に置いておきたいのが、親と子どもは別人、同じ人間ではないということだ。顔や声や体質がどんなに似通っていたとしても、親と子は、分身でもなければコピーでもない。子どもにとって親は紛れもなく「他者」だし、親にとっても子どもは「他者」。それぞれ異なる人格を持っているのだから、価値観も異なって当たり前だし、同じ状況でも同じように考えるとは限らない。しつけをするときに限ったことではないが、親は子どもと接するとき、「子ども=自分自身」ではないことを踏まえておきたい。

●命令、強制、否定口調は子どものやる気を失わせる

 親から見て「やるべきこと」「やってほしいこと」を子どもがやっていないとき、親はつい「~しなさい!」と言ってしまいがちだ。また、「やめてほしいこと」を子どもがやっているときに「~しないで!」という言葉が、つい口を出てしまう。そして、子どもがすんなり応じないと、親はますますイラっとしてしまう。

 しかし命令口調で言われたり、頭ごなしに注意されたりするのでは、子どもも気分を悪くする。強制や否定をされることによって、ますますやる気を失くしたり、反発を招いたりする。また、応じたとしても「怒られるからやる」「うるさいからやめておく」のでは、子どもの自主性が損なわれかねない。

 子どもに「やるべきこと」「やってほしいこと」を促すとき、「宿題しなさい!」ではなく、まずは「ゆっくりご飯を食べたり遊んだりできるように、先に宿題しようね」と声をかけてみる。また、子どもに「やめてほしいこと」を伝えるときは、「電車で騒がないで!」と否定するのではなく、「公共の場所だから、静かな声で話してね」と声をかけてみる。そしてその際、「なぜ」そうする必要があるのか、子どもが理解できるよう説明することで、子どもも納得できる。

●「できなかったこと」よりも「できたこと」に目を向けて、褒める

 学校や社会で通用する人間に育てなければいけないという責任感ゆえ、親はつい、子どもの「なってない部分」「できていないこと」ばかりに目が向かい、改善を図ろうとしてしまう。もちろん注意すべきことは注意しなければならないが、子どもは日々成長していく。

 親は子どもの未熟な部分だけではなく、子どもの長所や成長したところ、数日前や数か月前よりも「できるようになったこと」を努力してでも見つけ、しっかり褒めよう。褒められることによって、子どもは自信が持てるようになるし、ちゃんと見てくれているという安心感や信頼感も得られる。子どもの長所や成長したところを見つけて褒めることは、子どもをしつけるにあたって必要不可欠ともいえる。

●大声で怒鳴らない

 家の中であれ外であれ、子どもをしつけるときに大声で怒鳴りつけてしまうのは威嚇になってしまうので、できるだけ避けたい。威嚇された子どもは、恐怖心を植えつけられ、自尊心も踏みにじられてしまう。また、思い通りにならない相手に対しては怒鳴ってもいい、大きな声を出したほうが勝ち、と子どもが学習してしまうことも懸念される。

 キレそう、怒鳴りそうになったときに「いったん深呼吸」をする習慣をつけ、間をおいて、静かな声でゆっくり子どもに言い聞かせてみよう。ガツンと一喝するより、冷静沈着なトーンでたしなめられたほうが、案外、子どもの心には残りやすい。

●人格を否定しない

 しつけをする際は、あくまでも「そのときのテーマ」のみに焦点を絞って話をするべきである。たとえば子どものよくない行為を注意するのであれば、「よくない行為」だけに対して叱ればよいのであって、そこで話を拡大させ「だからあなたはダメなの」「そんな子は嫌われる」「あなたみたいな子をママは育てたくない」などと子どもの人格や人間性をまるごと否定して責め立てる必要はない。そのように責められた子どもがふてくされたり、意欲を減退させたりするのは自明である。

 そもそも、焦点がずれたりあやふやになったりすると、子どもは何に対して叱られているのか分からなくなってしまい、結局親の一番伝えたいことが伝わらなくなってしまう。ものはついでといわんばかりに「この前のファミレスでも……」などと過去の話を引っ張り出して叱るのも禁忌である。

●体罰は良い効果をもたらさない

「しつけ」の手段としても体罰は許されない。子どもは体罰を受けることによって恐怖心や反発心を抱き、「叩かれた」「殴られた」ことだけが印象に残り、親の「しつけ」は子どもに伝わらない。たとえ直後は親の言うことに従うようになったとしても、親に対する安心感や信頼感が失せ、思春期以降に関係が悪化する要因にもなり得る。また、相手を支配するための手段として暴力を振るうというパターンを、子どもが学習してしまうことも懸念される。

■しっかり叱ることが必要なとき

 親が子どもに一方的に価値観を押しつけるだけのしつけは、子どもに良い影響をもたらさず、時間をかけて根気強く教え導いていかなければならない。しかしながら、「ダメなものはダメ」と断固として許してはならない局面、しっかり叱らなければならない局面もある。それは、「子どもが危険な行動をしたとき」や「他人に迷惑行為を働いたとき」である。

 とくに、交通ルールを守っていないとき、家の中や外で危険だからしてはならない遊びをしたときなど「子どもが危険な行動をしたとき」は、子どもの生命を守るためにも、なるべくその場で、なぜ危険なのかを分かりやすく具体的に説明し、厳しく叱る必要がある。そこで注意を怠るのは、親が子どもの生命を脅かしているともいえる。

■ママ友としつけの方針が違うときは、どう対処する?

 しつけの方針はそれぞれであると分かってはいても、子どもを友だちと遊ばせるとき、ママ友の教育方針と自分の方針がぶつかってイラつく、というケースが少なくない。「家でも外でも、私は子どもの嫌いな食べ物をなるべく食べさせたいと思っているけど、ママ友は残しても注意しないし、デザートを欲しがればさっさとあげてしまう。そのうち自分の子が不満を言い出さないか心配」(30代女性)、「“おまえ”とか“知らねー”とか、ママ友の子どもの言葉遣いが悪くてイラっとする」(20代女性)など、自分の子どもへの悪影響や、子どもが不公平感を募らせることを懸念する声もある。

 しつけの方針が違う場合、無理に相手の価値観に合わせる必要はない。ただ、「相手には相手の考えや事情があって現在があること」は理解しておきたい。相手も自分もこれまでの人生で経験したことを通して、現在の価値観やしつけの方針に行き着いているのであり、それぞれ異なる人格を持つ人間なのだから違って当たり前ともいえる。

 しつけの方針の違いが表出化したときは「うちは○○だから」とやんわり伝えておいてもよいし、どうしても一緒にいるのが苦痛というのであれば、「距離を置くこと」にしてもよい。相手を尊重し、同時に自分のことも大切にするべきなのだ。ママ友との関係に無理は禁物であることを心に留めておきたい。

■まとめ

 もちろん、親がどんなに冷静沈着に優しく、懇切丁寧に子どもへのしつけを実践したとしても、たった一度で子どもに通じるとは限らない。親は子どもに何度も根気強くしつけを継続していくことが求められるわけだが、それはとても疲れることでもある。親とて、聖人でも人格者でもないのだから。だからこそ、親自身がストレスを溜めこまないように、また子どものしつけへの責任をしょい込まないように、親はストレスを発散したり不安や不満をぶちまけられる居場所を確保して、気分転換をしながらしつけに挑みたい。

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