北原里英「瀧さんとリリーさんが、本物の犯罪者にしか見えなくて(笑)」ズバリ本音で美女トークの画像
北原里英「瀧さんとリリーさんが、本物の犯罪者にしか見えなくて(笑)」ズバリ本音で美女トークの画像

 主演映画が封切られる直前の北原さん。死ぬかと思ったという過酷撮影の裏話、現場での心境はもちろん、グループ卒業を今春に控えた彼女の、仕事、そして恋への意気ごみを存分に語っていただいた!

■ピエール瀧、リリー・フランキーと共演

――最新主演作『サニー/32』が公開間近ですね。

北原 はい。台本を初めて読んだときから、先の展開が読めなくて、1ページごとに何かが起きているというくらいギュッと中身が詰まっていて、一冊の小説のような読み応えがありました。自信作です!

――13年公開の『凶悪』で多くの賞を受賞した、白石和彌監督の新作です。

北原 私、もともと『凶悪』の大ファンだったので、うれしかったです。出演していたピエール瀧さんとリリー・フランキーさんのおふたりが、本物の犯罪者にしか見えなくて(笑)。やってることはメチャクチャで最悪で後味悪いのに、痛快感もある……魅力的な作品でした。それがまさか、この『サニー/32』で、そのおふたりと共演できるなんて。

――北原さん扮する藤井赤理が、拉致監禁されるサスペンスものですね。赤理はどんな女性なんですか?

北原 中学校の数学の先生なのですが、髪もアップで服も地味で、ごく普通の女性。物語の冒頭でストーカー被害に遭って、この事件そのものは解決するものの、そのとき警察の方に「これで終わりですか?」って尋ねるくだりがあるんですね。このとき、赤理はちょっと何かを期待していたんじゃないかなって。毎日が同じことの繰り返しで、教師の仕事に期待したほどのやりがいを感じていない中で、たぶん初めて起きた“非日常”だったと思うんです。怖いけど、ちょっとワクワクするみたいな。そこはとても人間らしい感情だなって。

――その後、2人に拉致されて猿ぐつわを噛まされ、ビニール袋をかぶされます。

北原 おふたりとは、このシーンが初対面でした。私自身もいろいろと緊張していたので心境が役にちょっとマッチしていて、緊張感がありましたね。このシーンでは瀧さんにビンタされる場面があるのですが、リハーサルの一発めで、ビンタが本当に顔に当たったんです!

――え、予定通り!?

北原 もちろん偶然でしたよ(笑)。でも、本当に痛くて、私も“本当に叩くんだ”と思ったら、そこでグッと緊張感が高まって。いい意味でその後の撮影に影響が出たと思いましたね。

――服を剥がされ、下着姿になるシーンもありましたが、恥ずかしかった?

北原 いえ、それが全然。他のシーンがあまりにも大変だったので、恥ずかしがっている場合じゃない……というのが、ここでも赤理の心境とマッチしていましたね。映画の予告を見るまで、そのシーンがあることすら忘れていました(笑)。

■地獄のような撮影シーン

――そして、物語は雪中の脱走シーンに続きます。

北原 撮影が昨年の2月の新潟県長岡市の小国町という豪雪地帯で、3~4メートルは積もっていましたね。

――衣裳はピンクの薄地のドレスと白のストッキング。

北原 しかも最悪なことに、屋根から飛び降りて逃げるとき、片方の靴を雪の中に失くしてしまいまして。「ここで失くしたら、この後ずっと裸足だ」と思い、探したんですよ。でも、今度は「探し続けていたら、この寒い中で撮り直しになる」という恐怖が襲ってきて、靴を捨てて逃げ出したんです。

――ということは、裸足で雪の中を逃げたんだ。

北原 はい。本当に地獄でした。

――聞いているだけで、寒くなりそう……。

北原 でも、実は衣装の中には16枚くらい使い捨てカイロを貼っていたんですけどね(笑)。私、今回の映画で4回死ぬかと思ったんです。1回目が、今の脱走シーン。

――で、2回目は?

北原 瀧さんに、口に布巾を突っ込まれるシーン。

――3回目は?

北原 映画の後半では舞台が同じ新潟の寺泊という日本海に面した漁港に移るのですが、ここでの撮影のとき、ロケが中止になるほどの大きな雹が降ってきて。痛すぎて「撲殺されるのって、こんな感じかな」と(笑)。

――さ、最後は……。

北原 ネタバレにつながるので詳しくは言えませんが、一晩中ワイヤーをつけてアクションを撮ったとき。

――壮絶な撮影ですね。赤理じゃないけど、逃げ出そうという気持ちには?

北原 それが、まったくなくて。一日一日がとても濃厚で、ずっと現場に行きっぱなしだったので、気持ちが途切れなかったですね。

――過酷なシーンの連続に加えて、女性とのキスシーンも衝撃的でしたね。

北原 そうだ! それも、忘れていました(笑)。

――さらに、瀧さんとリリーさんに蹴りやパンチをくらわせるシーンも。

北原 人を殴る演技はしたことがないし、性格的にもありえない……ので、ちゃんとできるかなとういう不安や心配はありました。でも、(役の)赤理も人を殴ることには無縁な人だと思ったので、「下手でもいいんだ」と思いながら演りましたね。

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