■火山噴火の日本列島ハザードマップ

 もし今の時代に富士山大噴火が起こったとしたら、その被害は想像を絶するものになるだろうが、むろん危険なのは富士山だけではない。木村氏が指摘する地震と火山噴火の日本列島ハザードマップを紹介しよう。地震に関して最も懸念されるのは、北海道東方沖と青森県東方沖で、ともに危険度は最高ランクの5だという。「北海道東方沖は今、最も危険が迫っているエリアの一つ。釧路沖での地震が想定され、規模もM8.6と大きい。ここは東日本大震災後、強いストレスが残っている地域と考えられます。太平洋プレートの圧力がかかる東北沖のプレート境界は大きく破壊されてストレスが消えましたが、その北側、青森県東方沖から北海道東方沖はストレスが続いているため、いつ大地震になっても不思議でありません」(木村氏)

 火山に関しては北海道の十勝岳が危険度5。東北地方では前述の蔵王山が危険度4とのことだ。「この2つが危険だとされる原因も、東日本大震災です。あのときに動いたプレートの圧力が、マグマ溜まりを圧迫しているんです。蔵王山の活発化についてですが、これは何年か前から予兆はありました。エメラルドグリーンの火口湖として有名な蔵王の御釜が、2014年に白濁していたんです。これは火口底が上昇している証拠。1940年の水蒸気爆発のときも、御釜の白濁は確認されていました。今後も要注意だと言えますね」(前同)

 前述した伊豆諸島沖地震と富士山、それに、2015年5月に噴煙を上げ、入山規制のかかった箱根山も危険度5である。「箱根山の火山活動は約40万年前に始まり、大噴火を繰り返して芦ノ湖や仙石原を形成してきた歴史があります。有史後は水蒸気噴火程度に留まっていますが、21世紀になってから火山活動が活発化しています。理由は太平洋プレートが日本列島を押し込み、伊豆諸島から先が強いストレスを受けているから。同じことは危険度4の浅間山にも言えますね」(同)

 また木村氏は、14年9月に噴火し、死者・行方不明者63人を出した御嶽山も、あの惨事で終わりではないと、警鐘を鳴らす。「あのときは水蒸気爆発でしたが、この後にマグマ噴火もあるだろうと思っています。また、御嶽山の噴火も、草津白根山同様、太平洋側にストレスを与えますから、伊豆沖の地震を誘発する可能性もありますね。それに、一般的には、富士火山帯と御嶽山がある乗鞍火山帯は別系統だといわれていますが、私はそうは思っていません。相当に近い関係。つまり御嶽山の噴火のストレスは、富士山にも影響を与えているということです」

 西日本では宮崎県の日向灘南部沖地震が危険度5。「阿蘇山、桜島、霧島連山の例を見ても分かる通り、現在、九州南部の火山活動が非常に活発化しています。過去に何度も大きな地震があった日向灘も、そろそろ危ない。私はM8.7クラスの超大型地震になる可能性もあると見ています」

 地震と火山の噴火は、日本列島に住む者の宿命といってもいい。読者諸氏も、ゆめゆめ油断召されるな!

 

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