中山記念には、主に距離に関する部分で予想が難しくなる特徴がふたつある。ご存じの通り中山記念は芝1800メートルの重賞だが、前走G2・G3組の前走距離別成績で見ると、前走で1800メートル超を走っていた馬の複勝率が低く、次いで前走も1800メートルの馬、最も高いのは前走1800メートル未満を走っていた馬なのである。複穴を出して複勝回収率が一番高いのも最後のグループ、つまりは今回距離延長となる馬たちだ。多くのレースでは距離短縮組>同距離組>距離延長組となる馬が多いので、これは珍しい傾向だ。

 ただ、以上はあくまでG2・G3組についての傾向。一番強いグループである前走G1組では前走有馬記念、天皇賞秋など、ここで距離短縮の形となる馬たちがよく走っている。また、前走G1組の中でもネオユニヴァース、ハーツクライ、ステイゴールドといった長距離色のある種牡馬が優勝馬を出しており、G1組以外でもオペラハウスが10年にワンツーを決めている(この年は雨の影響が強かったが)。一方で今をときめくディープインパクト産駒は[0・1・3・10]と勝ち切れていないので注意したい。

 まとめると、馬券の中心に据えるべきは前走G1組でしかも距離のもつタイプの血統。ヒモ穴に狙いたいのは前走G2・G3の距離延長組ということになる。後者タイプについては、この原稿を書いている時点でこれという想定馬が出てきていないので、G1組を中心にシルシを決めよう。

■有馬記念の敗因がはっきりしているサクラアンプルール

 距離短縮というと有馬記念から来る◎サクラアンプルール、エリザベス女王杯から来る○ヴィブロス、秋華賞から来る▲アエロリットあたりだが、序列は以上のようにしてみた。◎サクラアンプルールは昨年の2着馬。天皇賞(秋)は馬場、有馬記念は不利と敗因がはっきりしているので近走の着順は気にならない。キャリアの中で中山芝を走ったのは6回なのだが、有馬記念以外はすべて馬券に絡んでいるので、その点も魅力だ。

■ディープインパクト産駒ヴィブロスが対抗

 能力では○ヴィブロスももちろん強いのだが、前述したディープインパクト産駒という点、そしてこの後を見据えた仕上げになることを考えて、今回は対抗までとした。▲アエロリットは、位置を取ってしぶとく残すというスタイルが中山記念に合いそう。距離はぎりぎりかもしれないが、自分の形に持ち込めばチャンス。

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