■戦闘機戦闘ではイスラエルが!

 続いて、戦闘機戦闘を見てみよう。「F-22やF-35といったステルス戦闘機に加え、まだまだ第一線で戦えるF-15、F-16も保有。パイロットの練度も高く、実戦経験も豊富な米軍が、ぶっちぎりの金ですね」(前出の竹内氏)

 銀メダルに輝いたのは、中国でもロシアでもなく、意外やイスラエルだ。前出の井上氏が、「イスラエルは四方を敵に囲まれていて、安全保障の意識が高い。実戦経験も豊富でパイロットの士気、練度とも良好」と言えば、竹内氏も、「運用する戦闘機も、F-15、F-16、F-35と一級品ぞろい。弱点は、アスリートにたとえるなら、“コーチやトレーナー”にあたる早期警戒機や、空中給油機などの縁の下の力持ちの戦力が不足している点くらい」と高評価。陸では惜しくもメダルを逃したが、空では見事メダル獲得となった。

 銅メダルは、海空軍の近代化に邁進する中国に。「かつては旧式の戦闘機で、パイロットの練度も低かったんですが、現在は資金力にモノを言わせて、ステルス戦闘機J-20や、ロシア製の最新鋭戦闘機スホイ35などの新型戦闘機を揃えています。以前は泣き所だった早期警戒機や空中給油機なども揃いつつあり、実力が急激に上昇していると言えますね」(竹内氏)

 4位にはロシアがランキングされる。「新型機も出そろいつつあり、シリアやウクライナなどで実戦経験も重ねていますが、慢性的な財政難から、ステルス戦闘機スホイ57の導入が先送りされるなど、資金力で勝る中国と比べると戦力のバージョンアップのスピードが遅い」(前同)

 5位には航空自衛隊が滑り込んだ。「日本は約350機の戦闘機を運用する戦闘機大国。かつて撃墜王を量産した伝統でしょうか、パイロットの士気、練度とも非常に高く、共同訓練を行う米空軍の中には、“日本の技量がナンバーワン”と証言するパイロットもいます。また、現代の空戦には欠かせない早期警戒管制機(いち早く敵機を捕捉し、友軍機に情報を与える)や空中給油機(戦闘機の滞空時間が延び、多様なミッションが可能となる)の運用にも長けているため、近い将来、機体のバージョンアップに成功すれば、メダル獲得も見えてくるはずです」(前出の黒鉦氏)

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