今週から阪神、中山に舞台を移し、春競馬が開幕する。数多くのトライアル戦が組まれている今開催だが、幕開けは少し趣が違う。東西で古馬重賞が行われ、東は中山記念、西は阪急杯だ。中山記念は1着馬にG1大阪杯の優先出走権が与えられるが、出走馬の春目標は一致していない。大阪杯もあれば、マイルG1もあり、ここをステップに海外に旅立つ馬もいる。その分“叩き台”の意味合いが強いレースになるが、関西からも有力馬が多く出走する。

 攻め込んでいるのがペルシアンナイト。2月1日にCWで52秒4-11秒7をマークし、4日の坂路55秒4のあと、8日にはCWで6F追い。併走で2馬身近く先着は82秒0、1F11秒5の反応の良さだ。このあと2本追えば態勢が整うだろう。ただし、休み明けではレースでの反応が鈍い面があり、今回は押さえの評価。マイルCS勝ちの実力を求めるのは次走のG1戦だ。

 ヴィブロスはどうか。昨年もこのレースが始動戦だったが、直線で伸び切れずに5着に終わっている。その成績から連覇を目指すドバイが本線のイメージになるが、昨年とは比べ物にならないほど馬体に力感が加わった。仕上げも進んでいる。1月24日の坂路59秒0が初時計で、以後1週2本の時計を出し調整は極めて順調だ。昨年の中山記念は前残りの決着の中、中団位置から外を回っての追走と厳しいレースになったが、今年はマルターズアポジー以下、先行馬がそろう組合せ。前年の成績で人気が下がるなら馬券妙味もある今年だ。

■G3阪急杯はヒルノデイバローが勝負気配

 阪神の阪急杯は1着馬に高松宮記念の優先出走権が与えられる。距離は本番より1F長い7F戦だ。勝負気配を感じさせるのは熱心に攻め馬を積んでいるヒルノデイバローだ。初時計が1月11日と早く、以後レース2週前時点まで10本の時計。それもコース、坂路で好時計を連発だ。2月11日には坂路で2F24秒6、1F12秒0の好反応だった。昨年2着馬が今年は主役に立つ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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