由伸ジャイアンツ「ゲレーロ」は救世主かジョーカーか?の画像
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 昨年Bクラスに沈んだ巨人の低迷の原因の一つが、「大砲の不在」であったことは衆目の一致するところ。「なにしろ、セ・リーグで唯一、20本塁打以上の打者がゼロ。勝てないのも道理です」(専門誌記者)

 この窮状を脱するべく、新たなる中心打者候補として中日から獲得したのが、昨年のセ・リーグ本塁打王、アレックス・ゲレーロだ。昨年は広いナゴヤドームを本拠地にしながら35本塁打を放ち、「東京ドームが本拠地なら50本は打てる」と豪語しているというから頼もしい。宮崎キャンプでも、さっそくフリー打撃などでサク越えを連発。その打撃力には、現在の野球界には欠かせない高性能弾道測定機「トラックマン」の運用担当者も舌を巻くほどだという。「彼の打球を精緻に分析したところ、“スイングスピードが速く、ホームラン性の角度のある打球を次々と叩き出している。まだ調整段階でありながら、あの鋭い角度の弾道と飛距離は驚異”と言っていました」(巨人軍担当記者)

■大物助っ人には大きな弱点も…

 そんなゲレーロには、すでに「4番当確」という声も。湿り気味の打線の救世主になるかもしれない。ただ、この大物助っ人には、大きな弱点もある。「昨年35本ものホームランを放ちながら、得点圏打率が.258と極端に低い。つまりは、チャンスに弱い。しかも、35本のうち22本は走者のいないときのソロ本塁打。ソロ率30%はリーグでもトップの数字で“ソロキング”という、ありがたくない称号もついています」(スポーツ紙デスク)

 また、ゲレーロは内角に弱いという欠点があるともいわれており、古巣・中日はもちろん、他球団は徹底的に弱点を攻めてくることになると思われる。「さらに昨年、彼がカモにしていた球団の一つが巨人なんです。巨人戦だけでも打率.301、本塁打6本を稼いでいましたから、その巨人に入ったことで、成績がどう変化してくるか……。ちょっとまだ、未知数の部分が多いですね」(前同)

 由伸監督は坂本、ゲレーロ、マギーのクリーンアップで得点力をアップさせる腹づもりだという。「ゲレーロさえ昨年並みに打ってくれれば、今年の巨人は相当強いはず」(野球解説者の江本孟紀氏)と言うが、それがはたして、どっちに転ぶか。由伸監督の大バクチの行方が気になるところだ。

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