2月20日深夜放送の『チマタの噺』(テレビ東京系)に俳優の津田寛治(52)が出演。無名俳優時代の恩人、北野武監督(71)との秘話を語った。
津田は、司会の笑福亭鶴瓶(66)に北野との出会いを聞かれると「まだクソ小僧みたいな頃でしたね。拾っていただいたのが」と述懐。北野との出会いは、バイト先の喫茶店だといい「アオイスタジオっていう録音スタジオがありまして、あそこの1階に喫茶部があるんですね。僕がバイトしてるところに、実は北野武さんもお仕事で来られてた」と明かした。
その頃、北野はまだ『その男、凶暴につき』と『3-4x10月』しか撮っていない頃だったといい、津田はその2本を見て北野に心酔。「なんとかして北野武監督の現場に入り込みたい」と思っていた矢先、自分のバイト先に北野がよく来ているということを知り狂喜。北野に自身のプロフィールを渡す計画を練り、北野が一人トイレで用を足しているときに話しかけたのだという。
北野はビックリしていたが、俳優志望だが出演できなくてもいいので現場に参加させてほしいと懇願する津田の話を真摯に聞き、「分かりました」と言って、津田が渡した手紙とプロフィールを胸のポケットに入れたという。
津田は「僕はそれに感動してしまって」と、興奮ぎみにトーク。事務所スタッフに渡せと言われるかと思いきや、自分の話をしっかり聞いてくれた北野の人柄に感激し「北野監督に手紙を受け取ってもらえたんだってことだけで、これから頑張れる」と思ったと語った。
それから1年後、『ソナチネ』のクランクイン前日に北野が喫茶店に来店。津田に気づき「お兄ちゃん、まだ俳優目指して頑張ってんの?」と声をかけたのだという。津田が喜んでいると、喫茶店のママが「たけしさん、ひどいじゃないですか!」「うちの子は1年待ってたんですよ!」と、北野になぜ津田を映画のオーディションに呼ばないのかと、すごい剣幕で訴えたのだという。
ママの行動にあきれて、落ち込んだ津田だったが、北野はしばらくすると「お兄ちゃん出番だよ」と津田を席に呼び、その場でスタッフに、津田をウェイター役で起用すると宣言。そうやって映画『ソナチネ』への出演が決まったのだと語り、鶴瓶を感心させていた。
「出会った人を大切にするという、北野武監督の人柄が出たいい話でしたよね。津田さんは今や名バイプレイヤーですが、この出会いがなかったら、今の活躍はなかったかもしれません。あきらかに彼の転機となったエピソードでしたね」(映画ライター)
無名の青年の熱い気持ちに応えた北野武監督の“男気”に、涙!