●かぼちゃ

 冬至の風習として最も知名度が高い「かぼちゃ」。“かぼちゃを食べると長生きできる”といわれる。しかしながら、かぼちゃの旬は夏なのに、なぜ冬至の日に食べなければならないのか、「ん」だってつかないじゃないか、と疑問を感じる人もいるだろう。

 かぼちゃは漢字で書くと「南瓜」で、「なんきん」とも読むため、上の項で説明した「ん」がついて運盛りできる食べ物のひとつに該当する。「南」という漢字が使われているので「北(陰)から南(陽)へ向かう」という意味で、冬至の日にはとても縁起のよい食べ物なのである。

 かぼちゃはビタミンA、カロチンがとても豊富な食べ物でもあり、風邪や脳血管疾患を予防する効果が期待できる。さらに、他の野菜や果物と比べて長期間の保存も可能だ。

●「と」のつく食べ物

 冬至の日は、「ん」のつく食べ物にだけでなく、「と」のつく食べ物も食べると良いとされている。これは「冬至」の「と」にちなんでそのようにいわれるようになった。「と」のつく食べ物として挙げられるのは、唐辛子(とうがらし)、豆腐(とうふ)、いとこ煮(小豆などを煮る郷土料理)、ドジョウなど。

●コンニャク

 地域によっては、冬至の日にコンニャクを使った料理が食べられるところもあり、“コンニャクを食べて体の中にたまった砂を出す”という意味から「砂おろし」と呼ばれている。コンニャクには身体の中をきれいに掃除する働きがあるといわれており、かつては節分、大晦日、大掃除の後にもよく食べられていた。

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