●小豆粥(あずきがゆ)

 また、冬至の日に食べる料理として「小豆粥」(あずきがゆ)、別名「冬至粥」(とうじがゆ)も挙げられる。小豆粥は、米と小豆を炊き込んで作ったお粥のこと。小豆の「赤」は太陽を連想させ邪気を払うことができる、小豆粥は体を温め病気を予防することができる、といった意味で、好まれるようになった。

■冬至の風習「冬至風呂」

 江戸時代の頃から、冬至の日には冬至風呂として「柚子湯(ゆずゆ)」に浸かる習慣がある。「柚子(ゆず)……融通が利く」「冬至(とうじ)……湯治」と、語呂がよいためこじつけられたという説もあるが、そもそも今と違って昔は毎日入浴するという習慣がなく、季節の儀式や行事のときの入浴は“汚れをはらう”“身を清める”という意味が強く、冬至の日の入浴もその一環だったと思われる。

 柚子が使われるようになったのは、冬が旬の果実であること、香りが強いため邪気を寄せつけないといわれている。また、柚子の木は実をつけるまでに10数年を要するため、“長年の苦労が実る”という縁起をかつぐ意味もある。

 柚子湯には、体を温めて風邪を予防する効果、血液の循環をスムーズにする血行促進効果があり、冷え性や腰痛を緩和する効果があるとされている。また、柚子の果皮にはクエン酸やビタミンCが含まれているので美肌効果、柚子の香りによるリラックス効果も期待できる。

 柚子湯にはいろいろなやり方があるが、最もおすすめなのは、あらかじめ輪切りにした柚子を洗濯ネットに入れ、湯船に浮かべる方法だ。カットすることによって柚子の香りは出やすくなり、洗濯ネットに入れることで入浴後の掃除が楽になる。他方、柚子湯でのバスタイムに、より特別感を持たせたくて、たくさんの柚子を丸ごと湯船に入れる人や、カッティングしたものを洗濯ネットには入れず直接湯船に浮かべる人もいる。最近はドラッグストアや雑貨屋などで柚子の良い香りがする入浴も販売されているので、香りを楽しみたいという人は、こちらを試してみるのもよいかもしれない。

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