■中国から来た六曜が日本に浸透するまで

 六曜は14世紀の鎌倉時代後期から、室町時代に中国から伝来したもの。いつから中国で暦になったのか、誰が制定したのかはハッキリしていない。「三国志」の登場人物として知られる諸葛亮孔明が考案したという説、唐時代に天文学者の李淳風が作ったという説もあるが、真偽は不明だ。

●明治政府が廃止するも人気は消えず

 日本にもたらされた六曜はさほど浸透していなかったが、幕末の不安定な時代になると民間の暦にも記載されるようになった。しかし、明治時代になると一転、政府がグレゴリオ暦を採用し、暦注の吉凶は迷信だとして使用を禁止した。明治政府公式の「官暦」から排除されるも、巷では「お化けごよみ」といって非合法に生き残っていたようだ。第二次世界大戦が終わると規制がなくなり、六曜は復活して流行することになる。

●人気の理由はシンプルさと勝負運

 先行き不透明な時代には占いが流行るということか。数ある暦注の中、六曜が根強く支持されている理由は、6つの繰り返しのパターンがシンプルで覚えやすい点にあると思われる。また、勝負ごとにまつわる吉凶が多いことから、ギャンブルに関わる人から好まれた背景もあるようだ。

●仏教、神道とは無関係!

「仏滅」など、六曜には仏教を想起させるものが多い。ゆえに、仏教に由来していると思っている人も多いが、実はまったく無関係である。そもそも六曜は、中国から伝来後に変化し、名称そのもの、また読み方や漢字がどんどん変化していった。現在使われている漢字は、ほぼ当て字。むしろ仏教では、すべての日を平等とし、日ごとに吉凶を定める思想を禁じている。

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