「縁起熊手」の由来と意味、買い方や地域の違いまで徹底解説の画像
「縁起熊手」の由来と意味、買い方や地域の違いまで徹底解説の画像

 幸運や金運をかき集めることができるという、何とも洒落た日本独自の縁起物「縁起熊手」をご存知だろうか? 元々は実用的な道具であったものが、いつの間にか財運や商売繁盛などにご利益がある開運グッズに変化を遂げたのだ。今回はそんな「縁起熊手」について、気になる由来や買い方、飾り方などを調べてみた。

■なぜ縁起物に!?「縁起熊手」の由来や意味

●熊手とは

 熊手(くまで)とは、名前が示す通り、熊の手のような形をした道具のことを指す。長い柄の先に、先っぽを爪のように曲げた竹や鉄を取りつけたもので、落ち葉などをかき寄せる掃除用具、土などを耕す農具、敵などを引き倒す武具として古くから実用的に使われてきた。

●縁起熊手とは

 縁起熊手の発祥は定かではないが、当初は本来の道具として市や祭りの露店で売られていたが、その形や用途から、幸運や金運をかき集める縁起物として、次第に形を整えていったとされている。

●縁起飾りの内容と、地域による違い

 縁起熊手にはさまざまな飾りがつけられている。代表的な縁起飾りには小判や千両箱といったお金、福の神として有名な七福神と宝船、鶴や亀、鯛、招き猫、松竹梅などが挙げられる。変わったところでは、商家で使われていた大福帳という帳簿などもある。これは縁起熊手を買うのは商売繁盛を願う商人が多かったためだといわれている。

 真ん中に置かれるメインの飾り物は、関東では熊手の表側におかめ・おたふく、関西では熊手の裏側に恵比寿・大黒天が飾られていることが多い。おかめ・おたふくは、日本最古の踊り子といわれるアメノウズメという芸能の女神がルーツである。一方の恵比寿・大黒天は七福神に数えられる福の神として知られている。

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