■開運&商売繁盛の神様!?「縁起熊手」を買うなら酉の市

●酉の市とは

 酉の市とは、「鷲神社」(おおとりじんじゃ)「大鳥神社」「大鷲神社」「酉の寺」など鳥にゆかりのある寺社の年中行事で、11月の酉の日に立つ市のことである。「大酉祭」や「おとりさま」などとも呼ばれ、早朝から真夜中まで屋台や露店などの出店が立つ。暦によって11月の酉の日が2回の年と3回の年があり、1度目から順番に一の酉、二の酉、三の酉と言う。三の酉まである年は火事が多いという言い伝えがある。ちなみに2018年(平成30年)は、11月1日(木)、13日(火)、25日(日)で、三の酉まである。

 酉の市の起源については神道由来説、仏教由来説、民間由来の3つの説がある。神道では日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のときに行った戦勝祈願や祝勝のお礼参り記念日とする説や、日本武尊が亡くなった日とする説がある。

 仏教では鷲妙見大菩薩の開帳日に立った市としている。民間では東京都足立区にある大鷲神社の近くに住む農民が、農作物の収穫を祝って神社に鶏を奉納したのが始まりとする説が有力である。いずれにしても時代が下るにつれて、縁起熊手などの名物が売り出されるようになり、正月に向けた最初の祭り、風物詩として庶民の間で定着していった。

●関東と関西の違い

 酉の市は関東エリアで知名度が高い行事だが、大鳥信仰の総本山である大鳥大社(おおとりたいしゃ)は、大阪府堺市にある。関東の酉の市と同じ日程で酉の市祭が開催され、縁起熊手を購入することもできる。関西では、毎年1月10日に行われ、「えべっさん」の通称で親しまれている「十日戎」(とおかえびす)でも縁起熊手を販売している。酉の市と同じく、商売繁盛や開運招福を求める人で賑わう人気行事となっている。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4