3場で3つの重賞が行われる今週だが、最も注目がいるのは中京だ。昨年からこの時期に変更された金鯱賞はG1大阪杯の前哨戦。2000メートルの距離で争われるG2戦だ。サトノダイヤモンドがここから始動する。一昨年に菊花賞、有馬記念を制したスーパーホース。今春はこのあと大阪杯→宝塚記念に参戦予定だ。昨秋は凱旋門賞に挑戦して15着。結果が出なかった。大敗ショックを断ち切るべく、レース間隔をあけての出走になるが、立ち上がりは2月4日の坂路56秒6。以後3週は坂路、コースを併用して調教に熱がこもっている。2月8日、15日、22日と立て続けにCWで併走調教もこなした。

 ただし、その動きには以前のキレがない。特にレース2週前追い切りの22日は3頭併せで、中が3歳馬のジャンダルム、外が凱旋門賞にも同行したサトノノブレス。6Fで3馬身後ろからの追走だったが、直線は2頭に1馬身近い遅れを取った。サトノダイヤモンドが追い比べで遅れるのは珍しいこと。まだ馬体にも余裕を残しているが、切れ味が出せない状態なのだろう。あと2週でどう変わるかだが、今回に限っては半信半疑の評価になる。

 動きがいいのはスワーヴリチャードだ。レース2週前追い切りは同じ3頭併せで最先着。馬なりで併走2頭を圧倒した。時計も6F83秒7。上がりは3F37秒5-11秒8の鋭さだ。これが2月9日から5本目の時計。乗り込み量も十分で、馬体の作りも上々。好仕上げでレースに臨めそうだ。昨秋はダービー2着からの鉄砲使いでアルゼンチン共和国杯を楽勝。続く有馬記念は直線で内にもたれて4着に終わったが、今回はその不安がない左回りコース。馬券の軸はこっちだ。

■桜花賞トライアルのフィリーズレビューはトロワゼトワルが狙い目

 同じ日曜日、阪神で行われるのは桜花賞トライアルのフィリーズレビュー。本番より1F短い1400メートルの距離でロードカナロア産駒に有力馬が多い。3勝馬のアンヴァル、3戦2勝のアルモニカもいるが、馬券的にはトロワゼトワルが狙い目になる。まだ1勝馬だが、脚力は十分。デビュー勝ちのあと重賞、オープン特別に出走した前3走は4・5・4着に終わっているが、マイル戦は少し長い印象がある。いい決め手があり、7F戦で激変の競馬を期待。

■中山牝馬ステークスはカワキタエンカ

 土曜中山の中山牝馬Sはカワキタエンカを狙いたい。前走は逃げて10着に終わったが、当時の京都芝は悪路と化し、逃げ馬には不利な馬場だった。本来は容易にバテない先行馬。コース替わって今度こそ逃げ切る。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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