不動の“最強盟主”が君臨するパ、ここ数年、勢力図に異変ありのセ。“球界新時代”の動乱を勝ち上がり栄冠を手にするのはどのチーム?
昨年は広島とソフトバンクの優勝、横浜DeNAの日本シリーズ進出など、大いに盛り上がったプロ野球。今年もキャンプをへて、各チームの陣容も徐々に見えてきた。そこで本誌は、スポーツ紙担当記者の見解、昨年の成績、今年加入した新戦力の実力など、幾多の要素を加味し、現時点の12球団の戦力を分析して予想順位表を作成。同じく野球評論家たちの予想順位と、その理由も取材し、総合的にペナントの行方を占う。
■パ・リーグはソフトバンク優位
まずはパ・リーグ。野球評論家の里崎智也氏が言う。「今後のオープン戦などの動向を見ない限り、確定的なことは言えませんが、現時点では、やはりソフトバンクの優位は動かないのではないかとみます」
このチームの強みは、やはり強力な陣容が整っていること。工藤監督自身が、「捕手と二塁のポジション以外は動かない」と、キャンプ前から断言しているように、レギュラーメンバーの力が圧倒的なのだ。昨シーズン本塁打、打点の二冠王となったデスパイネをはじめ、最高出塁率の柳田、最高勝率の千賀、最多勝利の東浜、セーブ王のサファテ、最優秀中継ぎとなった岩嵜など、タイトルホルダーが目白押し。「それに加えて、ヒットメーカーの内川、チームのムードメーカーでもある“熱男”松田、4億円プレーヤーとなったバンデンハークなど、鉄壁の陣容です」(スポーツ紙記者)
そのうえ、甲斐や石川のように育成からポジションをつかむような新戦力が飛び出て来る可能性もある。層の厚さは他球団の追随を許さず、まさに理想的なチームになっているのだ。
■楽天も優勝候補
しかし、野球解説者の江本孟紀氏は、「だからと言って、すんなりソフトバンクが優勝するとは限りません。昨年だって出だしでつまづいたわけですから、同じことが起きないとも限らない」という。そんな江本氏が優勝候補として挙げるのは楽天だ。「昨年、楽天は開幕ダッシュに成功し、夏前までは優勝するような勢いでした。それだけの実力があるということです」(前同)
実際、ソフトバンクが最も警戒しているのは楽天だ。「ウィーラー、ペゲーロ、アマダーの3外国人は“打率こそ高くないが、ここぞと言う場面でホームランを打つ”と、ソフトバンクの王貞治会長が言っていました」(ベテラン野球記者)
昨年は3人で80本塁打を放ち、222打点を稼ぎ出しているこの“三銃士”の前後を茂木、銀次、島内などのしぶといバッターが固め、投げては則本、美馬が堅実に勝つ。他球団から見れば厄介だ。
■西武ライオンズもAクラス争いに
Aクラス争いに絡んできそうなのが、もう1チームいる。それは西武。「昨年、二冠を達成して自信をつけた秋山が引っ張り、源田、浅村、山川と続く打線にはすごみがあります」(スポーツ紙記者)
2016年に守備率.982、17年シーズン.984と、もともと守備に難のあったチームだが、辻監督の就任、源田の加入などで、一気に守備力もアップ。これで菊池を中心に投手陣が踏ん張れば、勝ちゲームを落としてしまうようなことは少なくなるはずだ。
とはいえ、前出の里崎氏などは意外と低評価。「パドレスに移籍した牧田、巨人に移った野上などマイナス要因が多いので、現時点での西武はあまり高く評価はできず、Bクラス予想です。もちろん、今後の状況によってはAクラスに入る可能性も十二分にありますが」