■セ・リーグはやはり広島東洋カープが強い

 さて、お次はセ・リーグ。やはり、昨年、一昨年とペナントを連覇した広島の強さは抜きんでている。「タナキクマル(田中、菊池、丸)、鈴木など中心選手が、ちょうど脂の乗り切った年齢。エース・ジョンソンの力も衰えていないこともあり、しばらくは広島の天下が続く。今年もセは広島を中心に回っていくはずです」(前同)との見方が一般的。

 だが、一方ではこんな声もある。「確かにジョンソンは今年も計算できるでしょうが、それに続く先発陣、すなわち野村、薮田、大瀬良、九里が、どれだけ活躍できるのかが未知数です。特に野村は一昨年こそ16勝を挙げていますが、昨季は9勝とムラがある。安定して勝ち星を稼いでくれるかどうかは分からないんです」(スポーツ紙デスク)

 他チームなら「負け」となるような試合を何度も打線がひっくり返して勝ち星を重ねてきた広島だけに、投手はその実力以上に「勝たせてもらっている」とも言えるわけで、自慢の打線が湿り気味になった場合、はたして投手たちがその分をカバーできるかどうか、はなはだ心許ないのだ。

■横浜DeNAが「対抗馬」

 そんな広島の「対抗馬」はどこかを考えてみると、浮上してくるのは昨年3位ながらCSを勝ち上がって下剋上を果たし、日本シリーズの舞台に立った横浜DeNAだ。今や侍ジャパン不動の四番となった筒香、打率.323で首位打者となった宮崎、105打点で打点王となったロペスというクリーンアップは、首位・広島以上の破壊力を持っている。「これに加えて、阪神からFAで大和が入ったのは大きい。守備にはもちろん定評がありますが、彼が目指すスイッチヒッター転向がうまくハマれば、1番から9番まで切れ目のない最強打線が出来上がるかもしれません」(スポーツ紙記者)

 江本氏は「このチームは盗塁したり、バントしたりという“細かい野球”ができない」と評価を下げているが、大和の加入によってその目が出てくるなら、攻撃陣には、もはや死角なし。ペナントを奪ってしまう可能性は大いにあるし、そうでなくとも終盤までシーズンのカギを握る可能性は大いにあるのだ。

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